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トランプ大統領に公開狙撃された韓国は中国に最接近するのか

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フランスがトランプショックを利用してEUの主導権を得ようとしていると書いたところ「自称現実主義」の人たちから賛同の声が上がった。個人的な信条としては核兵器の闇雲な拡散に反対したいところなのだが「理想主義」は何かと分が悪い。

この中に石破総理も虎視眈々と中国への最接近を狙っているという指摘が付いた。うんざりしながら「韓国も中国に接近するかもしれない」と返信したが現実が受け入れられなかったようで尹錫悦大統領への支持率が高いのだという韓国語の記事が添付されてきた。

ただ、実際にトランプ大統領の韓国を狙い撃ちにする発言は韓国を中国の方へ押しやる危険がある。韓国保守はなんとか巻き戻したいところだろうが背中からトランプ氏に狙撃されているのである。

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この前段階に台湾に対する取引がある。アメリカ合衆国からウクライナが見捨てられつつあり台湾政界・財界には衝撃が広がっているようだ。グリーンランド併合発言も中国の言い分を正当化するものと受け取られれている。

水面下でトランプ政権が台湾と交渉したという話もあるようだがTSMCがアメリカ合衆国と大規模投資のディールをまとめた。台湾当局は公式にはアメリカの圧力を否定し「自主的な投資」と強調している。

台湾と韓国はライバル関係にあるため、韓国保守は「はしごを外された」と考えたようだ。しかし韓国革新はもっと過激に反応している。ハンギョレが韓国はトランプ大統領から公開銃撃されたと憤っている。

当然この話には文脈がある。尹錫悦大統領の弾劾裁判が進行している。野党はかなり強引に弾劾裁判を進めたため民意から反発されている。トランプ大統領の強硬な対韓敵視政策は野党には千載一遇のチャンスなのである。

現在選挙が行われれば李在民氏が当選する可能性が高いとされているようだが、在民氏は3月26日に判決を受ける予定だ。この前までに大統領選挙を行えなければ李氏は大統領選挙の出馬資格を失う可能性がある。

トランプ大統領の混乱に満ちた強引なメッセージは先進国各国の政治情勢を大きく撹乱している。ヨーロッパではすでに「次」を見据えた動きが出ているが韓国の政治もまた大きな変革期を迎えようとしているといえる。そして次の政権がいじめに耐える親米政権である保障はどこにもない。

トランプ大統領はすでに北朝鮮を核保有国と呼び韓国政界から反発されている。

MAGAの中にはアメリカが朝鮮半島を守ってもなにの見返りもないから撤退すべきだとする声が上がっている。中には韓国が自前で核兵器を持ってもアメリカ合衆国は容認するのではないかと指摘する人までいる。

しかしこれはアメリカ合衆国の甘えの現れに過ぎない。多少韓国をいじめても韓国が中国に接近することなどないという見込みがあるのだ。おそらく共和党タカ派の人たちはそのような甘い見通しは持っていないだろうがMAGAの人たちの感覚は「よくわからない」としか言いようがない。

韓国が自前の核兵器を持てば核不拡散体制は崩壊する。しかし中国の核の傘の庇護を求めれば地域のバランスは壊滅的に変化するだろう。

FRIDAYはメリットがなければ韓国から撤退するだろうとしたうえで、逆に中国に接近しようとすれば強引な手段を使って韓国政界に介入するのではないかという予言を紹介している。

尹大統領は内乱罪で起訴されたが、「近いうちにトランプ大統領が″尹氏は英雄だ″と褒めて解放するよう求め、ウクライナ以上に重視する政権として存続させることは十分考えられる」とパストリッチ氏は意外なシナリオを口にした。

日本も油断はできない…米韓関係の権威が緊急予言「 韓国がトランプに見捨てられる日」(FRIDAY)

まあFRIDAYだしなあという気もするのだが、ウクライナへの乱暴な介入を考えると「まったくないとは言い切れない」という気もする。アメリカの外交政策は極めて場当たり的なものになっている。

しかしこれはただでさえ混乱している韓半島情勢をさらに混乱させるだろう。

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