3月4日に予算が衆議院を通過することが確実視されている。自民党と公明党に維新が加わり過半数を超えることがわかったからだ。
しょせん誰も見ていないプロレスなのだろうと思っていたのだが、意外とYahooニュースのコメント欄が盛り上がっていた。ただしその内容は「維新も既存政党に堕ちた」とか「夏の参院選の結果がたのしみだ」というものばかり。既存政党に対する恨みが募っていることがわかると同時に維新が「翼賛政党」としてネット世代から離反されはじめていることがわかる。
自民党・公明党・維新は3月4日に予算案を衆議院通過させる。すでに自然成立の期限は過ぎており石破総理には焦りが見られる。立憲民主党は予算委員会を握っているため今回は内閣不信任案は出さず採決にも参加するという。
代わりに国民民主党と立憲民主党は共同でガソリンの暫定税率廃止の法案を出すという。地方の減収になることから自民党が抵抗しており成立する見込みがない。
衆議院の複雑な議論を理解しようとする人はおらず「どっちが誰の味方なのか」という極めて単純な二分法が採用されていることがわかる。
勝者は国民民主党だろう。
日本の「自分ファースト派」はアメリカよりはマイルドだがリベラル政党を嫌う。リベラルは「誰かの救済のために盗む」存在に過ぎない。自分ファーストの選択肢は維新と国民民主党だ。だが今回の件で「所詮維新は体制維持の協力者」ということになった。改革職を鮮明にすべきだと考えてきた大阪組の懸念は当たることになりそうだ。
こうなると自民党もなりふりかまっていられない。
日本郵政が国に収めている650億円の配当を郵便局に横流しする法案を準備している。前回の選挙では長谷川英晴氏(全国郵便局長会相談役、元全国郵便局長会副会長)が414,371票を得て当選している。組織票としては医療系の団体よりも大きいのである。
虐待AIプロジェクトにおいて日本人の戦略思考のなさを分析した。戦略思考ができないため政策を再成長につなげられないという国民病を抱えている日本人に残された選択肢は「今ある利益を誰がぶんどるか」だけだ。
この横流し合戦が過激化しているのが現在の国会の様子ということになる。
有権者の側も戦略思考は難しいので「一体誰が味方で誰が敵なのか」という二分法で政党を判断するようになっている。
そもそも組織的支持基盤を持たない維新はあくまでも自民党・公明党と戦う存在であり続けなければならなかった。
その意味では大きく身の振り方を間違えたといいうことになり、夏の参議院選挙でどうなるかという一つの注目ポイントが出来たと言えるだろう。