維新と自民・公明の間の修正協議は山場を迎えた。維新は粘るだけ粘ったことで「やりました感」を演出したい考えのようだ。
一方で予算委員長を握る立憲民主党が参考人聴取で自民党に抵抗しており今週の衆議院予算通過は難しくなったという。国民不在の政党間プロレスが続いているようにしか見えないのだが、この一連の流れに対するコメントも特に見られない。
「どうせ最後にはまとまるところにまとまるんだろう」と考えて関心を持たない人が増えているのではないかという気がする。
維新は医療費の4兆円削減については「念頭に置く」という自民党の表現を受け入れるのではないかと見られているようだ。維新は25日に最終協議を行う。問題はあくまでも「見せ方・見え方」なので結果的には受け入れてしまうのではないかと思う。だが、「念頭に置く」は「頭の片隅に入れておきますがあまり期待はしないでくださいね」という意味だろう。
一方で予算委員長を握る立憲民主党も苦しい立場に置かれているようだ。政権交代を目標に掲げる立憲民主党は自民党の予算案に賛成したくない。しかし日程闘争政党と見られることも避けたい。ところが一度決まりかけた参考人聴取が難航している。安住委員長はメンツを守るために振り上げた拳を下ろせなくなってしまった。
政策やポリシーではなく狭い村の人間関係で決まる日本の政治風土がよく現れている。
こんなことで年度内成立が危ぶまれているのかと呆れるほかない。
政治は有権者に対してどんなメッセージを伝えるかが重要である。特に今回は少数与党国会なので与党だけでなく野党も含めた議員たちの参加・協力も重要だ。
しかしながら結果的には「野党にいいようにされるのが面白くない」という人たちが大勢いて「言った言わない」「聞いた聞いていない」という話ばかりが伝わってくる。そこにこの国をどこに守ってゆきたいのかという意思や決意は感じられない。
しかしながら今までは自民党・公明党が多数を持っていたため「強行採決」で議論を終わらせることが出来ていた。立憲民主ともこの強行採決に依存しギリギリまで抵抗を続けることが出来ていたわけである。
しかし今回は少数与党状態となってしまっているため立憲民主党が何らかの形で振り上げた拳を下ろすことが出来なければこのまま年度内に予算が成立しないという事になりかねない。
結果的に与党・野党共に「国民生活などどうでもいい」と言っている。これこそが我々が正面から受け止めなければならない政治からのメッセージのかもしれない。