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国民を置き去りに迷走する国会

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とにかく年度内に予算を成立させなければならないという強迫観念に囚われた国会が迷走している。結果的に維新案が採用されることになりそうだが、立憲民主党との協議が後回しになっており年度内の予算成立が難しくなったそうだ。

国会は国民生活にはさほど関心がないようだが、国民の側も政治に期待しなくなっている。米価の高騰に対しては市場原理が働き外国からの米の輸入が増えているそうである。

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今週後半のワイドショーは各党の交渉については大きく取り上げず、暮らしに直結した米価の話題と高額医療の問題を大きく取り上げていた。

立憲民主党のある議員は文書の中にある長瀬効果(高額医療費を上げれば受診を諦めれる人が出てくる)という文言を強調している。しかしながら、政府・自民党は維新の4兆円削減案を丸呑みする格好で最終調整を進めているようだ。今後さらなる削減を約束されることになりそうだがドタバタで受け入れているためおそらく具体的な議論はまだ行われていないのではないか。

維新や国民民主党は「負担減という成果」を勝ち取り、自民党は「削減によって命を削っている」と批判されることになる。国の財布は1つしかないと考えると、これは車の両輪なのだから極めて不可思議な状況なのだがすでに日本の政治は合理的な議論を行う環境にはない。

自民党の中でも「岸田・石破総理といっしょに沈みたくない」という人達が増えているようだ。高市早苗氏は石破総理と戦わず保守の支持者たちをイライラさせているようだが103万円の壁の議論について「私(たち)は聞いていない」としている。また自民党の中では次の政権を見据えた勉強会が流行っているという。

これで年度内成立は確実になったのだろうな、やはりプロレスだったんだな、と思ったのだがどうもそうではないようだ。プロレスはプロレスだがシナリオを作らずにやっているようだ。

立憲民主党は維新・国民民主党との協議が先行することで自分たちとの協議が後回しになっていると苛立ちを強めている。さらに予算委員会のスケジューリングが難航しているそうだ。時事通信は「年度内成立は難しくなった」と伝える。

与党は了承が得られ次第、3党党首会談で正式に文書案に署名し、予算案の衆院通過を急ぐ考え。ただ、立憲民主党などが採決の前提として求める旧安倍派会計責任者の参考人聴取の見通しは立っておらず、憲法に基づき年度内の自然成立が確定する3月2日までの衆院通過は困難な情勢だ。

自公維、予算修正合意へ 吉村代表「実行すれば公約実現」―年度内自然成立は困難(時事通信)

ただし国民はすでに国会には期待していないためこうしたドタバタがニュースになることはない。国民も企業も自衛に乗り出している。その一例が輸入米の急増だ。Quoraではすでに国内のコメに頼らなくてもカリフォルニア米でいいじゃないかという議論が出ていた。

それを裏付けるような記事をNHKでみつけた。21万トンに比べれば523トンという数字は僅かなものではあるが着実な変化が起きている。みずほの国と呼ばれた日本だが「日本政府の農業政策は信頼できない」という理由で外国からコメを買っているのである。

農林水産省によりますと、このうち民間企業によるコメの輸入量は1月の1か月間では523トンでした。昨年度の民間企業のコメの輸入量は、368トンで、1月の1か月間で、昨年度1年分を上回る量を輸入したことになります。

民間企業コメ輸入量 1か月で昨年度1年分を上回る(NHK)

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