立憲民主党には期待していないので批判するつもりにもなれないが「また悪い病気が再発したなあ」と感じた。
立憲民主党は狭いコミュニティに閉じこもっている。ここから外の世界を見ているため判断を間違えることが非常に多い。
国民民主党へ期待が集まっているため「自分たちも政策協議に参加しなくては」と焦っている。このため政府に対して1兆円程度の予算修正を求めてゆく考え。
しかしながら予算に賛成し支持者たちから「自民党の翼賛部隊だ」と批判されることも恐れている。
野田氏は「野党第1党が賛成するのは、相当相手側に寄ることになる」とも語り、反対する姿勢をにじませた。
立民代表、予算案に反対示唆 政党支部が抜け穴―内外情勢調査会で講演(時事通信)
しかし問題はここでは終わらなかった。立憲民主党は狭いコミュニティに閉じこもり外の世界を見ている。これは蓮舫東京都知事候補の選挙活動を見れば明らかである。ハリス民主党も同じような失敗を犯し「セレブ女子会」と批判された。
ところがそもそも立憲民主党の中で支援者が異なっている。江田憲司氏らのグループは「消費税減税」こそが重要であると考えており独自に勉強会を開催することにした。
ただ、党内には批判の声もある。ある中堅は「政権交代を訴えているのに、与党と同じレールに乗って議論しても仕方ない」と反発。ベテランは「選挙で訴える目玉政策がない。立民は『増税政党だ』とレッテルを貼られている」と嘆く。
「財政規律」路線、立民内に不協和音 有志が消費税減税へ勉強会(時事通信)
野田佳彦氏は総理大臣時代に財源を求めたが財務省をコントロールしきれず逆に消費税増税を決め政権を失った。これが野田氏の個人的なトラウマになっており今でも消費税減税には後ろ向きである。一方で党内の一部からは「手取り増を推進している国民民主党に負けてしまう」という焦りも生まれているようだ。
日本の政党間で政策に違いが生まれないのは当たり前だ。すべての政党が基礎統計と分析を政府統計に頼っている。独自の分析機関(シンクタンク)を持たないので、政策に違いが生まれず有効な成長戦略も打ち出されないため「過去の蓄積の分配」ばかりが議論されることになる。
このため、有権者は分配以外の政策には興味を持たなくなっているようだ。これはあくまでもQuoraのコメント欄や当ブログの閲覧履歴を見た感想に過ぎないのだが「自分たちの気に入らない勢力」を監視するためにフォローをしているという人が割と多いように思える。Xでもらったコメントによると「気に入らない勢力」を監視している人たちがいて特定のSNSで成果を自慢し合っているともいう。
このため、個人を主語に置いたタイトルを付けると記事が読まれやすい傾向がある。
立憲民主党に期待されているのは政府の監視であり政策ではない事になり「一定数いれば有権者は満足」ということになる。これが、立憲民主党ピコピコハンマー理論だ。
この理論を採用するならばそもそも立憲民主党には政策立案能力を期待しているのは支援者だけであって他の人達は適度な政府批判だけを期待しているということになってしまう。
このピコピコハンマーのニッチから脱出するためには「現役世代など忘れ去られていた人たち」を代表して見せる必要があるが、すでに国民民主党がそのニッチを埋めつつある。
ピコピコハンマーとしての立憲民主党を最もうまく活用しているのが石破総理なのかもしれない。安倍派を批判する材料を提供すれば野党が勝手に安倍派批判をしてくれる。受動的に支援を求めるばかりの立憲民主党はこうして利用されるだけの野党第一党に(自らの志願の結果)なりつつあるといえるだろう。
国民民主党は「103万円の問題は生存権の問題だ」としていた。これも石破総理にうまく利用されてしまいそうだ。そもそも納税額が少ない年収200万円以下の世代い限定して150万円程度に引き上げるという案が出てきた。生存権の問題がクリアされ、国民民主党が狙っている現役世代には恩恵がなく、規模の割には政府の収入源が抑えられ、おもに自民党と公明党の支援者に恩恵がある変更になっている。
定額減税のところでも触れたが自民党・公明党は税制の仕組みを複雑化させて地方事務への負担を増やしても支持者たち(高齢者を中心とした低所得世帯)へのアピールを優先するところがあり、今回の変更にもその姿勢がよく現れている。