兵庫県知事選挙関連でPR会社に家宅捜索が入った。公職選挙法で家宅捜索が入ると「逮捕目前」とされることが多いのだが今回は事情が違っている。注目度が高いために「起訴するかしないかは別にしてやるだけのことはやった」と示す狙いがあるのだそうだ。
公職選挙法は「ボランティアです」と宣言してしまえばかなり自由度が高いあやふやな法律であるとわかる。
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兵庫県知事選挙を巡る家宅捜索が行われた。PR制作会社が協力的ではなかったためスマホを押収して履歴を調べるのだという。兵庫県庁は「色々ありすぎてうんざりだ」という諦めの空気が広がっているようだ。県知事を選ぶ間違えると県政に何が起きるのかがよくわかる。
公職選挙法がらみの家宅捜索が入ると「逮捕目前」と言われることが多い。検察は民意に敏感なため誤認捜査を嫌うところがある。しかし今回の捜査には大きな違いがある。
時事通信は「県警と神戸地検は7日、PR会社の複数の関係先を家宅捜索した。」と書いている。つまり主語は警察で神戸地検はあくまでも補助的な役割を果たしているに過ぎない。また「立件の可否を慎重に検討する。」としている。つまり確たる証拠が集まったから踏み込んだというわけでもないようだ。
「世間からの注目が高いから「やるだけのことはやりました」という形を作ったのだろう」と説明している日本テレビの記事を見つけた。
日本の選挙法制はかなり遅れた状態になっておりSNSを使った選挙を限定的にしか認めていない。しかしながら、注目さえ集まらなければ「脱法的に協力を依頼しても罪に問われない可能性が高い」ということになる。意外といい加減であやふやな法律になっている。法律を作っている人たちがおじいさんとおじさんばかりなのでSNSに対する知識があまりなく議論が深まらないのかもしれない。
しかし今回は立花孝志氏が介入したために世間の注目が集まり「何もやらない」というわけには行かなくなってしまった。
今回Quoraでこの話を書いたところ「(SNS戦略だけではなく)ボランティアといえば割となんでも通ってしまう」というコメントを貰った。裏でお金を渡しても問題にならないから選挙にはお金がかかり続けるのだという。
こうなると「立花孝志(のような人)氏が目をつけたからこそ公職選挙法のあやふやさやいいかげんさに焦点が当たるといえる。だから「立花孝志氏は必要悪だ」という倒錯した主張が成り立つ。
選挙や政治に信頼が集まらなくなると立花孝志氏(のような人)が活躍する余地が生まれるということだ。これが一定のラインを突破するとリアリティショーのタレントだったトランプ大統領のような破壊型のリーダーが生まれることになる。
なお立花孝志氏の次のターゲットは千葉県知事選挙だ。熊谷知事には大きな失点がなく議会との関係も悪くないため「応援」など必要はないのだが、立花孝志氏は二馬力選挙を行うと言っている。
「選挙は効率のいい政治的な宣伝をする場だ。公選法には当選を目的として立候補しなければならないとは書いていない」と強調した。次の大阪府岸和田市長選にも出馬するという。
「僕に投票しないで」NHK党立花孝志氏、出馬表明の千葉県知事選「選挙は政治宣伝の場」(産経新聞)
借金をいくら抱えようが「回転している間」には行き詰ることもない。また政治活動をしている人に対する捜査は抑制的になる。こうした当選を目的としない政治活動家を排除することは難しい。立花孝志氏はどこか据わった目で「政治宣伝」と言っているが実態は政治宣伝ではなく「政治活動家=選挙に出続ける人」なのだろう。一体誰がお金を出しているのかが気になるところ。
「立花孝志氏のような人も必要悪なのではないか」と思えてくるのだが、その行き着く先はトランプ大統領が政権中枢に居座るアメリカ合衆国のような状況だ。国政は大統領制ではないため一人の議員によって混乱することはないだろうが、都道府県知事などは二元代表制であり「この手の人物」によって徹底的に破壊される可能性がある。兵庫県の今の事例を見てもそれは明らかだ。