共同通信が「【独自】「日米黄金時代」声明案 南西地域の防衛強化も記載」という記事を出している。今回はアメリカで何が起きているかを中心に書くのだが、日本政府やマスメディアがアメリカに大して関心を持っておらず、安全保障の前提さえ維持できればいいのだ程度の認識しかないことがよくわかる。
今回はYahooニュースの記事をリンクしたのだが、コメント欄が意外と冷静で驚いた。マスコミはアメリカの事情を伝えていないと指摘する声が散見される。SNSによって情報の一端を目にしている冷静な国民も多いのだなと驚かされた。
石破総理はもともと「日米同盟は対等であるべき」という原則論にこだわりを持っておりハドソン論文によってアメリカにも伝わっている。しかしアメリカ合衆国はアメリカ第一主義を掲げており国際援助すらも武器化したい考え。別の記事でネタニヤフ首相がどうトランプ大統領を制御したのかについて書くのだが「説得」はもっともトランプ大統領が嫌うやり方である。しかし、日本はアメリカに多国間協調の大切さを説得したい。
良いニュースもある。トランプ大統領はネタニヤフ首相との面談を終えたばかり。ガザ所有提案に大変満足している。反発も非常に強いがトランプ大統領は反発されればされるほど自分のアイディアにのめり込んでゆく傾向がある。
また中国の習近平国家主席との間でも対話が予定されているが日程の調整が難航しているようだ。おそらくトランプ大統領の頭の中は「中国とどうディールを交わすか」で夢中になっている。
こうなると日本側の要求は右から左に聞き流してもらえる可能性がある。トランプ大統領にとって国際条約や同盟などは「単なる紙切れ」であってどうとでもなる代物なので「はいはい、日米黄金時代ね」と軽く受け流してもらえる可能性があるだろう。
CIAは陰謀論の影響を受けたトランプ大統領を刺激しないために早期退職を受け入れた。CIAは影響は限定的であると言っているが実際にアメリカの情報網がどの程度影響を受けるのかはわからない。国家情報の責任者として上院の支持を得つつあるギャバード氏は「日本の再軍備は危険だ」という持論を繰り返し展開している。トランプ大統領は最後に聞いたブリーフィングの内容を「自身の考え」として主張してしまう傾向がある。諜報網が弱体化し偏った考え方で外交を判断するのが第二次トランプ政権と言える。これは日米同盟云々というよりアメリカの国際的地位を毀損させるだろう。
テレビニュースの取り扱いなどを見ていても日本人は大して国際情勢には関心がなく「昨日と同じ明日が確約されればあとはどうでもいい」と考えているようだ。テレビ朝日のワイドショーで久々に政治問題を見たが「石破総理が国民民主党を取るか維新を取るか」という実にどうでもいい話題に長い時間が割かれていた。前原誠司さんと石破茂さんは党内に友達が少なく鉄道という共通の趣味がある似た者同士で気が合うのだそうだ。
ガザの問題に対してもトランプ氏ならビジネス感覚でガザに平和をもたらしてくれるかもしれないという識者のコメントを流す局があったようだ。アラブの反発を知らずガザ地区に大して興味もない視聴者なら「ああそうなのか」と思うかもしれない。
となると「アメリカが日米同盟の維持を約束してくれたぞ」という政府の情報で十分だろう。余計な情報が増えても心配がつもるだけだ。