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対メキシコ関税が一ヶ月の猶予 トランプ大統領の外交成果か

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アメリカ合衆国とメキシコが協議を行った結果、対メキシコ関税に一ヶ月の猶予がついた。またパナマは一帯一路構想からの離脱を表明している。コロンビアの移民送還受け入れに続いて中南米諸国ではトランプ外交の成果が出始めている。「やはりトランプ大統領は外交の天才だった」と考える人が出てくるのではないかと思う。

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トランプ関税発表の金融市場の影響は極めて大きかった。ペソとカナダドルは下落し、日本の株価も一時1000円以上の下落を記録したという。現在アメリカでは月曜日の株式市場が開いたがやはり下落から取引が始まったそうだ。

そんななかシェインバウム大統領は「アメリカは対メキシコ関税が一ヶ月延期された」と発表した。今後メキシコ側から国境対策の案をまとめてアメリカ合衆国に提示するようだ。

パナマでもルビオ国務長官が「中国の影響を減らすように」と要求した結果一帯一路からの離脱を勝ち取った。アメリカの軍艦の航行の自由も確約したという。

このように対中南米では「トランプ大統領の外交成果」が現れている。日本でもトランプ大統領の支持者は多く「やはりトランプ大統領は外交の天才なのではないか」と考える人がでてくるかもしれない。

しかしながら結果的にはアメリカの国際的地位が低下するのではないかと見る人が多い。トランプ氏の交渉術はナショナリズムを刺激する傾向が強い。つまり、反トランプ感情ではなく反米感情が高まる可能性がある。今回紹介するのはBloombergの記事だが伝統的な共和党色のある「警告」という色彩が強いのかもしれない。

もともとパナマのような小さな国は大きな国の援助を期待している。しかしながら完全にアメリカの支配下に入ると釣った魚には餌をやらないということになりかねないためソ連や中国のような別の大国にも接近する傾向がある。複数の大国を両天秤にかけながら政策を転換する国はピボット戦略国といわれる。

一方でヨーロッパやカナダは国と国のつながりを協力関係(パートナーシップ)と考える傾向が強い。

つまりトランプ大統領の選択はパートナーを失い援助目当ての国ばかりを引き付ける結果になりかねない。

「良い戦略・悪い戦略」などというものは存在しない。しかしながら一つの戦略は何らかの結果を導き出す。この結果がアメリカの国益にとって良いものか悪いものかという判断こそが重要だ。

このため中長期的な影響を判断するためには、もう一つの当事国であるカナダがどう反応しているのかを見るのが重要である。かなり厳しい反発が出ている。

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