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ドイツの連邦議会が移民制限法を否決

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ドイツの連邦議会が移民制限法を否決したというニュースを見かけた。「あれ、前回可決されたというニュースを紹介したぞ」と思い詳細を見てみることにした。どうやら前回のは「動議」に過ぎなかったようだ。極右AfDがこの動議に賛成したことに対する反発が強まっていた。このため具体的な法律を作る段階で造反者が出て法律が成立しなかったようである。なおこの件が総選挙にどのような影響を与えるのかについては詳しい分析がない。

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ナチスドイツが合法的に議会を乗っ取ったという歴史を踏まえ、ドイツ連邦議会は「排斥」を警戒してきた。これをファイヤーウォールと言っている。ところが野党のメルツ首相は選挙で成果を出そうとAfDが協力する事がわかっている移民排斥動議と具体的な対策法を提出した。

動議がAfDの協力で可決。AfD支持者は「長年の天井が破られた」と喜びを顕わにしたが、野党側ではメルケル氏が異例の反発をした。首相経験者として政局には口を出さないという常識があるようだがそれを破りメルツ党首を批判したようだ。このため野党から造反者が出て具体的な移民規制法は成立しなかった。

今回の記事を読んでも実際にどんな議論が行われたのかはよくわからない。だがドイツの政局がかなり混乱した状態になっているのは間違いがなさそうだ。極右との協力はドイツ政界の大きなタブーだがメルツ党首の危機感はそれ以上だったのだろう。

このニュースが衝撃的なのは、ドイツの戦後政治が、戦前・戦中のユダヤ人・共産主義者排斥の徹底的な反省に立っているにも関わらず、再び排斥に頼る勢力が躍進する可能性が出てきたからだろう。メルツ氏は次のドイツ連邦首相になる可能性が高い。

ヨーロッパは全体的に経済不振に陥っていて極右の台頭が心配されている。ドイツは極右ポピュリズム抑止の最後の砦になることが期待されていたわけだが、率先して排斥主義者の手に落ちてしまうかもしれない。ただし、今回の一連の流れが政局にどのような影響を与えるのかはまだよくわかっておらず今後の動向に注目が集まる。

なおスウェーデンではキリスト教徒のイラク難民が何者かに殺されるという事件が起きている。このイラク難民はコーランを燃やすなど反イスラム的な活動を行っていて判決を受ける直前だった。同氏のものと見られるアカウントには23万人のフォロワーがいたそうだが、当局が罰する前に「私刑」が行われたことになる。

このようにキリスト教社会に同化できない・しないイスラム教徒の問題はヨーロッパの治安に暗い影を落としているというのもまた事実である。スウェーデンは2022年からお穏健党などの連立政権が成立しているが、選挙で躍進した極右民主党も閣外協力している。

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