ワシントンDC近郊で着陸目前の民間航空機が軍用ヘリと衝突した。民間機はポトマック川に墜落し死者が多数出ているものと見られる。APによると当局は人命救助をやめて復旧作業に移行した。トランプ大統領は航空機が墜落したのはオバマ大統領・トランプ大統領の政策のせいだと批判したが、その根拠は示さなかった。
ワシントンDC近郊で着陸直前のアメリカン航空機(ボンバルディアの双発機)が軍用ヘリと衝突した。事前にボンバルディア側の滑走路変更があり、管制が近くにいた軍用ヘリに対して待機を指示したようだがその意図が伝わらなかった可能性がある。BBCの報道で見る限りヘリコプターがまっすぐ民間機に突き進んでいったことがわかる。
アメリカ合衆国の空は過密化が進んでおりABCニュースでも度々ニアミスの話題が報告されている。このため常識的に考えれば管制官の増員などの対策が取られるべきなのだろう。CNNも管制官が航空機とヘリコプターの2つのポジションを兼務していたと伝えている。CNNは「事故原因の特定は時期尚早」としているが過密化した空を旧式システムで制御する限界が出ていると考えても不思議ではない。空の安全を確保するためには管制官の無能ぶりを批判するのではなく「どうすれば安全が確保できるか」を建設的に議論しなければならないだろう。人員を増やすかオートメーション化を進めて少ない人材で生産性を上げるかなどの議論をしなければならない。
国家安全運輸委員会(NTSB)は情報を精査し仮の報告書を出すのに30日程度が必要だと国民の理解を訴えている。
しかし現在はトランプ政権のため議論が乱暴なものになりがちだ、トランプ大統領はなんの情報もない時点で「オバマ政権とバイデン政権で多様化政策が進んだために管制能力が劣化した」のだと根拠不明の主張をした。記者たちにその根拠を聞かれたが質問に直接応えることはなかったという。
トランプ大統領はアメリカの航空管制は「優れた人たち」で行わなければならず障害者のような劣った人が入り込む余地はないと主張。これはアメリカの常識的な判断だと付け加えているそうだ。
イギリスのインディペンデントとREUTERS(日本語版)などが伝えている。
ロスアンゼルスの山火事のときも「山火事は民主党の責任だ」と主張し民主党が考えを改めなければ援助はしないと主張しているため、トランプ大統領のこの手の主張は驚くに値しない。
ボンバルディア機にはアメリカとロシアのフィギュアスケート関係者が搭乗していたという情報もあり、スポーツ関係者の中にも衝撃が広がっているそうだ。
当初このニュースが伝わったときには「半日もすれば事故の原因の一端が報道されるのではないか」と考えたのだが、航空当局から目立った声明などはでていないようだ。連邦政府の職員は一斉に「早期退職プラン」のお知らせを受け取っているほか。連邦支出の差し止めとその撤回など内部はかなり混乱している様子。
このためトランプ大統領の民主党政権批判だけが目立つ結果となっている。アメリカ国民がいつまでこの一種異様な状態に耐えられるかも一つの注目ポイントとなりそうだ。平時であれば多少の混乱も許容されるのかもしれないが有事には大統領の迅速な問題解決が求められる。