石破総理が施政方針演説を行った。日本を楽しい社会にすると宣言し、あまりの内容のなさで野党を困惑させている。一方で高市早苗氏に対する期待が高まっている。トランプ大統領から面会しませんかと打診があったそうだ。
石破総理の施政方針演説は「日本を楽しい社会にする」というものだったそうだ。マスコミは中居報道に夢中になっておりそもそも国会が始まったことさえまともに伝えていなかった。
中には「中居報道はスピンではないか」という人もいるようだが、残念ながらスピンにして隠すほど大胆な提案は行われていない。
おそらく石破氏は当内外野・ご意見番の地位を楽しんでいたが有力な政治家が次々と脱落し結果的に総理大臣になってしまった。このため石破総理には特にやりたいことがない。野党も「メッセージが伝わらない」と言っている。そもそも各党と協議が進んでいて責めたてるような材料も見つからなかったということなのだろう。
- 若者・女性に選ばれる地方
- 産官学の地方移転
- 地方イノベーション創生構想
など5つの柱が掲げられており以下のような具体策も出ているという。
- 男女間の賃金格差是正
- 地方公務員の兼業・副業の弾力化
- 防災庁など政府機関の地方移転
最近Quoraで政治系の質問を見ているのだがそもそも何を質問していいかわからないという人たちが溢れている。回答する人たちもそれぞれの印象論を語るだけ。つまり、そもそも政治批判をしようにも何を批判していいかすらわからなくなっている。
地方在住の高齢者の中には地方回帰に期待する人もいるようだが、仮に「若者と女性に選ばれる地方」という政策に中身があったとしても(個人的には大した中身はないと思うが)それが伝わることは「ほぼ絶対にない」と言ってよい。そもそも政治を理解する言語を持たない。せいぜい「財務省が減税に反対している」くらいの認識を盛っている人が政治に詳しい人になるのではないか。
若者と女性はあまりにも変わらない地方の古びた価値観に辟易しているのではないかと思うが、それを政治課題とは考えない。テレビのワイドショーは東京のキラキラとした流行りを伝えるが地方にはイオンくらいしかない。将来東京で住宅を借りたり買ったりすることはできなくなるかもしれないが、若者と女性が積極的に地方を選ぶことはないだろう。
そもそもやりたいことがない上に野党の要求を丸呑みするくらいしか選択肢がない石破総理は結果的に「リベラル化」することになる。また、日米同盟対等論を英語で発表してしまったことからトランプ大統領にも嫌われているようだ。面会の日時もなかなか決まらない。
ここで高市早苗氏の存在感が増している。日本人は政策の中身ではなく「どちらの味方なのか」を重要視する傾向がある。小林鷹之氏は「面倒くさいから=政治的労力がかかるから」夫婦別姓について議論するのはやめようと言っているが、高市氏は「自分は保守の味方です」という情報発信をしている。財務省寄りとされる小林鷹之氏が保守から選択されることはないのではないかと思う。
高市早苗氏は日本人がトランプ大統領に対して強い不安を抱えていることもよくわかっているようだ。「私はトランプさんから会いませんか?といわれたが総理大臣に遠慮しました」とTBSのインタビューに答えた。石破さんはダメだけど私ならトランプ氏と関係を築くことができると「やんわりと」仄めかしている。
石破政権は外交にも独自方針を持たない。
アメリカと会えないのであれば会えるところから会おうという判断を下している。また根回しもそれほど上手ではない。岩屋外務大臣は独断で中国人に対するビザの拡大を決めてしまい党内から反発されているという。時事通信の記事では「誤解だ」と釈明しているが何が誤解なのかは示されなかったようだ。
自民党は有権者からの支持を失いつつありアメリカも政権が変わった。このため進んで選択しているというよりは成り行き上「リベラル化と中国シフト」が進んでいる。これに反発する自民党支持者は少なくないだろう。
では自民党はこのまま保守政党化するだろうか?
石破政権は国会運営を森山裕幹事長に依存している。
森山氏は現在79歳だそうだ。さらに麻生太郎氏が「派閥横断的な」勉強会を発足させた。自民党では麻生派以外の派閥がなくなったがその後の体制ができていない。若手の中に「われこそは次の自民党を担う」という人たちが現れておらず「寄らば大樹」の議員たちが84歳の麻生太郎氏の回りに群がっている。
自民党は保守化ではなく高齢化していると言ってよいだろう。