二期目の大統領に就任するトランプ次期大統領が新しいタイトルを獲得した。アメリカの犯罪は軽犯罪と重罪に分かれている。トランプ氏は地裁判決レベルで「重罪犯」の認定を受けた。ただトランプ陣営が控訴するものと見られているため確定ではない。最高裁がトランプ氏を庇い立てスル可能性もあるが適切な距離を保つのに腐心しているようだ。
トランプ氏は今後の自由主義体制優位な状況を内部から破壊するだけでなく好調な経済に大きな影を落とす可能性がある。おそらくロシアと中国はトランプ政権の誕生を「チャンスだ」とみなすだろう。
トランプ次期大統領がニューヨーク地裁で重罪犯の判決を受けた。現役の大統領を収監することは事実上難しいため「犯罪者」との記録だけを残す措置とされている。トランプ陣営は控訴を決めているため最高裁まで罪状は確定しない。
結局、最高裁で「なかったこと」にされるのではないかと期待する人もいるだろう。だが、保守派の判事たちも判決の延期や差し止めをこの差し止めに同意しなかった。BBCによると議会襲撃に理解を示すと批判されてきたアリトー判事がトランプ氏に人事の推薦の電話をかけたと批判されており最高裁判事たちはトランプ氏の影響力に期待しつつどのような距離を保つかで意見が分かれているようである。現在は終身身分に守られる最高裁判事だが世論が敵対的になれば終身制廃止に向けた世論が噴出しかねない。
トランプ氏の政治介入はもともと問題を抱える国の政治に大きな影響力を与え始めている。デンマークはグリーンランド独立問題を抱えておりトランプ氏の介入がこの問題を複雑化させかねない。BBCによると中国もグリーンランドのレアメタルを狙っているとのことである。
さらに側近のイーロン・マスク氏もドイツやイギリスの政治に介入している。トランプ氏の意向を受けているというわけではなく独自の正義感によって動いているようだが必ずしも同盟国からは歓迎されていない。
政権交代の可能性があるカナダのトルドー首相は党首選を3月まで引き伸ばすことで問題を先送りしたい。しかしカナダでは「庶民派」の野党党首に期待が集まっているそうだ。
トルドー首相が「関税問題から目をそらすためにわざと極端なことを言っている」と主張するようにトランプ次期大統領の領土的野心には別の狙いが隠されていると見てよいだろう。
しかしそれでも問題を抱える自由主義先進国の連携にひびが入ることは間違いがない。これで大喜びをするのはロシアと中国だ。
プーチン大統領はトランプ次期大統領との直接会談を望んでおりトランプ陣営もいそいそと準備を始めている。習近平国家主席は適切な距離を保つ方針のようで就任式に誰を送り込むかに関心が集まる。
日本の石破政権も早期にトランプ氏との会談を実現させたいようだが「専制主義国」を好み同盟国を敵対視するという一風変わった大統領のため日本が望む成果が出せるかは極めて疑わしいと言ってよいだろう。
このように自由主義陣営を分裂させかねない危険なトランプ次期大統領だがカリフォルニア州で起きた大規模な山火事も政治問題化しようとしている。とにかくアメリカを分断することが自分の仕事だと考えているようだ。
ロスアンゼルス市が水道インフラの整備に力を入れず消防士の予算を削減してきたことは確かだ。しかし今はとにかく消火と被害の解明に全力を尽くすしかない。
しかし他人の痛みに無関心なトランプ次期大統領はニューサム知事を一方的に囃し立てている。10日後にアメリカ合衆国全体の大統領になる人の発言とはとても思えない。トランプ陣営は過去のハリケーン災害のときも「選挙妨害のための人工嵐だ」という風評を流していた。このため一時FEMAがトランプ支持者たちの妨害にあい思ったような救援活動が出来なかったという事件も起きている。今回も実害が出ないことを願うばかりだ。
CNNは人為的な気候変動が問題の根幹にあるとする記事を出しているが、これさえもトランプ支持者に言わせれば「意識高い系のでっち上げ」ということになってしまう。
サンタ・アナ・ウィンズによって拡大したロスアンゼルスの山火事はいまだに鎮火していない。パシフィックパリセードはほぼ全消しているが、そもそも当局は死者数を把握できていない。REUTERSは死者が10人になったと報道しているが今後も死者数は増え続けるだろうと悲観的な予測をしている。