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빨리빨리国家韓国の奇妙な大統領逮捕報道

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빨리빨리で(概ね)パリパリと読む。日本語では「早く早く」という意味で韓国人のせっかちな気風を揶揄するために使われる。

新年早々、龍山区漢南洞の大統領私邸前で大騒ぎがあった。捜査当局が「週末まで待つ理由がない」と発表しマスコミが色めき立った。YouTubeでは周辺映像が流されると支援者たちが大勢集まり「大統領を守れ」とお祭り騒ぎになったが、結局逮捕状の執行はなかった。

一方で大統領側近たちは次々と泥舟を降りている。日本ではありえないようなドラマのような展開で毎日目が離せない。

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事の発端は逮捕状を請求した高位公職者犯罪捜査処(CIO)の関係者の発言だったようだ。逮捕状の有効期限は1月6日だそうだが「なぜ週明けまで待つ必要があるのか」と発言。一部のマスコミが色めき立ち、私邸付近の交通カメラの映像がYouTubeでライブ中継され始めた。大統領の私邸は南山トンネルと漢南大橋の間にある交通の要衝にあるため、交通カメラで付近の様子を捉えることができる。

ただ、いつまで経っても逮捕状が執行される兆候はなかった。仮に時間にうるさい日本人であれば「検察が踏み込むと行ったら数時間のうちに令状は執行されるだろう」と考えるはずだ。YouTubeは本放送を小窓に移しつつ現場の状況を流し続けている。

次第に支援者たちが集まってきて「大統領を守れ!」として大騒ぎになった。時間をかけて放送すれば当然そうなるだろうなという展開。大統領は集まってきた支援者たちに「私は最後まで戦うぞ!」とする手紙を送った。

大統領府側はCIOには逮捕状の執行権限はないとしており踏み込んできたら逆に逮捕すると息巻いているそうだ。現在の韓国には統一された政府というものがないことがわかる。

当然大統領府側につくことは「大統領とともに立てこもる」ということになる。このため大統領室長らが「泥舟から逃げ出せ」とばかりに辞任している。しかし大統領を見捨てたとも見られたくないようで「判事の指名に抗議してやめた」と表明している。

代表の有罪確定まで秒読みの「共に民主党」はできれば早く大統領選挙をやりたい。このためには短い時間で弾劾裁判を片付ける必要がある。判事補充に抵抗した韓悳洙大統領代行を弾劾し裁判所送りにした。後継の崔相穆大統領代行はチェジュ航空事件も抱えているため野党と強調せざるを得ない。このため野党の要求を飲んで判事の補充に応じた。大統領側近たちにはこれを言い訳にして逃げ出したことになる。

前のめりに結論を急ぎたがる빨리빨리気質のために一種の興奮状態が起きている。当事者たちは素早く状況を見極めて自分に不利にならないように動かなければならない。これはよく韓国ドラマで見られる光景だ。このため一連の状況を見ているとまるでドラマだなと感じるのだが、実際にいま韓国で起きていることである。

共同通信はこうした騒ぎを知ってか知らずか「2日に執行されなかったので3日は執行されるかもしれない」と伝えている。確かに執行されるかもしれないしされないかもしれない。それが韓国である。いつまで経ってもグズグズと何も動かない日本から見ると少し魅力的にさえ見える。

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