ABCニュースの中で扱ったウィスコンシン州マディソンの学校襲撃事件。聞き取りでは不正確な内容もありそうなので事件のあらましを整理した。BBCの情報を素に整理すると教師1名と10代の生徒が1人亡くなっており容疑者も自殺したと見られている。容疑者はナタリー・ラプナウと判明した。15歳の女子生徒だ。
この事件はアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールと言うキリスト教の学校で起きている。容疑者もこの学校の生徒。ニュース映像から見ると主に白人の集まる学校だったようだ。
「この手の事件」はもはやアメリカでも珍しくはないのだが白人の女子は典型的なプロファイルではないため「なぜこんなだいそれたことをしでかしたのか」に注目が集まる。
当初「女の子がこんなことをするはずはない」ということからトランスジェンダーだったのではないかなどと言う噂も立ったようだ。当局はこれを認めていない。
これは2023年にテキサス州ナッシュビルでおきた事件からの連想かもしれない。容疑者はオードリー・ヘイルとされた。事件のあった学校はコベナント・スクールだった。出生時には女性だったが性的自認が男性で精神障害の治療を受けていた。コベナントスクールはコベナント長老派のキリスト教の伝統に基づいた教育を行う。つまり「女性らしくない」容疑者に「女の子らしさ」を教え込むためにコベナントスクールに入学させられたということだ。警察は後に性的自認に合わせて「エイデン」という男性名を使うようになったとのこと。エイデン・ヘイル容疑者はマニフェストを残しているがまとまりのない内容だったとWikipediaには書かれている。
今回の事件において当局はこのトランスジェンダー説を認めていないが、とは言え具体的な動機もわかっていない。犯行を示すマニフェストのようなものはないようでソーシャルメディアのアカウントから背景を探りたいと考えているようだ。
ABCニュースには次のような記述がある。まずFacebookには容疑者のものと見られる顔写真があるのだが犬を抱いて微笑んでいる写真が使われておりとてもこんな大胆なことをやりそうな荒れた子どもには見えない。
だがソーシャルメディアの履歴からは全く別の暴力的な傾向もわかってきている。
The portrait that is beginning to emerge from these social media accounts of a young person showing interest in neo-Nazi ideology and neo-Nazi violence, as well as demonstrating interest and engagement in online forums venerating mass shooters, according to information provided to law enforcement. Authorities will now review Rupnow’s online footprint in an effort to glean what ideology or blend of ideologies may have motivated her to open fire, officials said.
What to know about the 15-year-old alleged Wisconsin school shooter, what social media could reveal
要約すると
- ネオナチの思想や暴力に興味を示していた
- 大量射殺犯を崇拝するオンラインフォーラムに興味を示していた
ということになる。
つまり「犬と一緒にあどけなく微笑んでいる少女」が実は「ネオナチや大量殺人にシンパシーを示しており」なおかつ「大胆にもそれを実行したかもしれない」ということになりつつあるのだ。
アメリカ合衆国では陰謀論を否定しない大統領が誕生し、医療保険会社のCEOを殺害した容疑を持たれている26歳のイケメンをアイドルのように崇拝する人達がいる。
当初からお伝えしていたアメリカのCEO殺人事件の問題も日本のメディアでも取り上げられるようになってきているが後半部分ではそもそもダークヒーローを応援する文化があるなどと語られている。
こうした状況下において「一見普通の女子生徒」が過激思想を受け入れていたとしても何ら不思議はないということだ。つまり一見普通の人達の間に憎しみと狂気が浸透しつつあるということになるようだ。
定時ニュースをモニターすると表面的に起きたことはわかる。しかしその後の報道をフォローしないと常識では考えにくい不可解な何かが進行しているということはわからないということになる。
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