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韓国は誰が軍隊を統制しているのかよくわからない状態なっているらしい

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韓国は誰が軍隊を統制しているのかよくわからない状態になっている。北朝鮮は今回の件についてまだ声明を出しておらず「嵐の前の静けさ」と言った状況だ。

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羽鳥慎一のモーニングショーで面白いシーンがあった。羽鳥慎一氏は不在で玉川徹氏を統制・制御できる人がいない。玉川氏は辺真一氏に対して「大統領が内乱を主導のはおかしい」と詰め寄っていた。玉川さんの定義では内乱は反乱軍が起こすものであって大統領の行為は内乱ではないだろうという。

ところが辺真一氏は「韓国軍が北朝鮮を攻撃しようとしていた可能性がある」と発言する。一つは汚物爆弾の原点攻撃だがもう一つ辺真一氏が挙げていたのが無人機の飛行だった。「確かにそんな話があったな」と感じた。改めて調べたところ10月の出来事だった。

非常に興味深いことがわかる。この問題は日本では「大統領の錯乱」として扱われている。しかし韓国では行き詰まった大統領一派(卒業高校の名前を取って忠岩派などといわれる)が北朝鮮との間に局地的交戦を起こしこれをきっかけに有事を宣言したうえで与野党ともに拘束したのではないかという見方がでているようだ。

日韓の報道があまりにも食い違っているため日本側の(韓国報道を見ていない)識者たちと辺真一さんの間に深刻な意識のズレが生じてしまったことになる。

ちなみにこの話題はすでにKBSでも「「非常戒厳」宣言の背後に局地戦誘発の疑惑」として報じられており辺真一さんが勝手に言っているわけではない。ネットでは忠岩派がネットの陰謀論チャンネルにハマっていたとの噂も飛び交っているようで一部報道されている。

金龍顕前国防長官が、全面戦争を起こすつもりまではなかったとしても局地戦を仕掛けようとしていた可能性はもはや公共放送でも普通に取り上げられており何ら突飛な話ではない。つまり朝鮮半島有事一歩手前だったということになる。

辺真一氏は「北朝鮮が何ら反応していない」ことを懸念していた。出演者たちもその続きが聞きたかったようだが「パネルの進行上」それ以上の話は出なかった。

そのあとREUTERSが「韓国、尹大統領に出国禁止措置」と伝えるように尹錫悦大統領に対する捜査が始まった。与党の韓東勳代表は個人的に権限が委譲されたと主張しており韓悳洙首相とともに韓国を統治するとしている。野党と国会議長は「憲法にはそんな規定はない」と主張しており韓・韓体制が確立したとは言えない状態である。しかし、アメリカに対しては「統帥権は大統領にある」と説明しているようだ。これもREUTERSに記事が出ている。

軍隊は軍隊で特殊部隊司令官が「兵士は悪くない、全ては命令に従ってしまった自分の責任だ」と涙ながらに謝罪している。軍政を経験している韓国で軍隊が市民に銃を向けたことは韓国社会では重く受け止められている。

日本では李在明政権になれば日米韓の同盟関係が崩れ危険な状態になるだろうと指摘する人がいる。これは尹錫悦大統領大勢の方がマシだというニュアンスなのだろう。実際には誰が韓国を統治しているのかよくわからない状況になっているのだがおそらくこれはあまり知られていないのではないかと思う。あるいは韓国の情勢にはそれほど興味がなくチューハイやビール片手に「左翼は国のためにならん」問いただけでの人が多いのかもしれない。

尹錫悦大統領は内乱罪の疑いが持たれているのだが、誰が捜査の主導権を取るかで揉めているそうだ。

国会の一大事になぜ揉めるのかはよくわからないがとにかく揉めている。第一に権限を持っているのは警察だが検察との協力拒否している。またそれとは別に高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)なる官庁があるそうだ。政治家の汚職を専門に捜査する役所がある事自体が驚きだが現在この3つの部局が主導権争いをしているようだと時事通信が伝えている。

さらに野党は「そもそも政府が捜査をするのが気に入らない」と言っており法律改正をして「第三者が捜査すべき」との立場だそうである。モーニングショーでの辺真一氏の発言を聞いていると、どうも辺真一氏は野党よりの考え方を持っているようだ。韓悳洙国務総理や国務委員たちが非常戒厳令に関わった可能性があるのにその政府が捜査を指揮するのはおかしいと主張していた。

しかしながら李在明氏には別の事情がある。裁判を抱えており最高裁判所で有罪が確定すると出馬資格を失うようである。つまり李在明さんは「早く大統領選挙がやりたい」という事情を抱え(内乱以外は大統領免責が使える)韓東勳氏は「有罪が確定するまで大統領選挙をやりたくない」と考えている。

この場合に与党が「直ちに下野」カードを取り出す可能性はないように思われる。公職選挙法違反容疑で1審裁判で懲役刑を宣告された最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が確定判決を受けるまで大統領選挙を先送りしなければならないというのが与党圏の暗黙的な共感のためだ。

「秩序ある退陣」に韓国与党も混乱…「尹拘束が現実的」という言葉まで(中央日報)

こんな状態で仮に北朝鮮が局地戦を仕掛けると政権のトランジション期間にあるアメリカ合衆国には「誰が誰に対していつまでの何を指示するのか?」という問題が生じる。

番組は完全スルーしていたが、辺真一氏の「北朝鮮が何も言わないのが不思議」という指摘は重く響く。

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