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反乱に失敗した尹錫悦大統領の末路と韓国の弾劾手続き

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尹錫悦大統領を巡って「今後どうなるのだろうか」が気になる人もいるかも知れない。直近の関心事は「大統領をクビになるのではないか」というもので、その後の心配は内乱罪の適用になる。今回は直近の弾劾について取り上げる。

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議会は韓国の大統領を弾劾できるということは日本でも広く知られている。アメリカ合衆国との違いは弾劾裁判の舞台だ。アメリカ合衆国では上院が審議するが韓国は憲法裁判所がその役割を担うという。実は韓国には上院がない。

可決した場合、大統領は即座に職務停止となり、憲法裁判所が罷免の是非を判断する。審理期間は最大6カ月。裁判官9人のうち6人以上が罷免に賛成すれば大統領は失職し、60日以内に大統領選が行われる。

韓国大統領を失職させる弾劾手続きとは? 2016年には朴槿恵氏も(毎日新聞)

では弾劾決議案は可決されるのだろうか。

与党「国民の力」には朴槿恵・セヌリ党時代のトラウマがある。

今回の非常戒厳の経緯を見ると韓東勳代表には相談が行っていなかったようだ。このため国民の力は非常戒厳の無効化に賛成している。

しかし、その後の対応で揺れている。

まず国防部長官と内閣の責任を追求するところまでは意見が一致した。韓東勳代表は「内閣総辞職」あたりで手を打ちたいのだろう。しかし大統領の弾劾を巡っては議論が紛糾し結果的に弾劾に賛成しないことになった。

朴槿恵大統領が弾劾されると保守系与党セヌリ党はその余波で瓦解している。おそらく今回も尹錫悦大統領が弾劾されてしまうと世論から見放され、党が分裂する可能性がある。

KBSによると弾劾決議案はすでに国会に提出されているが、国民の力は議会に姿を表さなかったそうだ。24時間は決議が禁止されているが(頭を冷やして考える期間が置かれていることになり意外とよく考えられている)72時間以内に決議をしなければならないことになっている。毎日新聞にも書かれているが300人の議会のうち2/3の賛成が必要となるため国民の力から8名の造反者が出る必要がある。

弾劾が成立すれば裁判所で審議が行われている間に体制を整えて次の選挙に向けた準備が始まることになるのだろうが、仮に国民の力が弾劾をブロックしてしまうと国民の力と大統領には茨の道が待っている。

国民世論は大統領の民主主義破壊に憤っており予算や次の閣僚人事(すでに閣僚たちは韓悳洙首相に辞表を提出済み)が承認される見込みはないだろう。とはいえここで弾劾に賛成してしまうと党が再び分裂し再起不能になる可能性がある。

情勢を見ると内閣ではなく大統領と一部の人達が非常戒厳を主導した可能性が高まっており「内閣が押し留めることができなかったとして責任を取らせる」という主張には無理があるのではないかと思う。

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