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「台湾は国」 麻生太郎氏の新しい自民党プロモーション戦略

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麻生太郎氏が「台湾は国」と発言した。共同通信は中国の反発は必至としているがおそらくそれが狙いだろう。新しいプロモーション手法なのではないかと思う。「石破茂総理は負ける」と考える非主流派の復権につながる一手だ。

だが本当にそんなことをしている場合か?とも感じる。公明党の様子がどうもおかしい。小泉純一郎氏よりも「自民党をぶっ壊す」が似合う石破茂総理だが本当に自民党が「ぶっ壊れてしまう」かもしれない。

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麻生太郎氏が台湾は国と発言した。産経新聞を読むと台湾(台湾の台北駐日経済文化代表処が主催する「双十節」の祝賀式典)のイベントに出席し重ねて発言を繰り返したところから失言ではないものと思われる。

むしろ「押すな・押すな・押すな」は「押せ」という日本のハイコンテクストな文化を象徴している。つまり中国からの反発を期待しているのではないか。中国が反発すれば単純に喜ぶ人達がいる。共同通信の記事には早速「本当のことを言って何が悪い」というコメントが大量についている。

麻生太郎氏は庶民感覚がわからないとされている。だが、秋葉原では一定の人気があった。今麻生氏にどれくらい人気があるかはわからないがおそらく本人は「今でも俺は若者に受ける」と思っているはずだ。2008年に総理大臣だったときには「俺達の太郎」と持ち上げられ、その後も度々秋葉原で街宣を行っている。マスコミは自分のことを庶民感覚がわからないと言うが本当はそうではないと感じているかも知れない。

高市総理を熱望する産経新聞は「高市早苗氏に応援演説が殺到している」と持ち上げたうえで、麻生・茂木の両氏が高市氏に接近しているという記事を書いている。ネトウヨにとって石破政権は「俺達の政権」ではない。最終的には正義が勝つという漫画的なシナリオを期待しているのかも知れない。中盤にがっかり感が大きければ大きいほど終盤は盛り上がる。

笠松将氏に代表される多くの現役世代が「13巻から登場人物がよくわからない漫画を読まされているようだ」と感じる一方で、今は漫画のラス前の山場と感じている人もいるかも知れない。最後には正義の高市氏が勝利するという図式だ。

自民党の執行部もその事はよくわかっている。杉田水脈氏は比例名簿に掲載されそうな勢いだが「上位に掲載するのは難しい」と情報発信されているそうである。だが前の選挙も上位掲載ではなかった。「頑張らないと落選しちゃうよ」という危機感を盛り上げたいのではと勘ぐってしまう。自民党上層部にとっては所詮彼らは政権維持のために必至で働くべきコマなのだ。

なお稲田朋美氏は「杉田水脈氏は女性だから優遇されるべきだ」と主張している。選択的夫婦別氏(べつうじ)制度の導入には消極的で閣僚に女性が2名しかいない自民党が女性を優遇するとは思えない。だが、さすがに「ネトウヨが離反する」とも主張できない。だが、その一方でたとえそれがヘイトを含む発言であっても「とにかく今支持している人たちを離反させたくない」という気持ちを自民党が切実に持っていることがわかる。

そもそも麻生太郎氏のハイコンテクストすぎる発言や行動にネトウヨの人たちが気がつくのかという疑問はあるがそれよりも面倒なことが起きている。

公明党は政治とカネの問題が解決していないとして共通政策の策定を見送った。石井新代表は幹事長時代に「東京での信頼関係は地に落ちた」という強気の発言をしている。自身が新しい選挙区を狙っていたこともあり選挙区調整で東京都連と対立した。山口公明党より石井公明党のほうが強硬路線なのだ。

自民党は相当数の公認を見送るとされている。すると創価学会は彼らを支援しなくなる。ここで相当数の票が失われれば「やっぱり選挙には創価学会が必要」と考えることになるだろう。

一方で野党共闘は実現しなかった。小沢一郎氏は野田佳彦新代表に恨み節だ。だが第三党(国民民主党と維新)にとって見れば今回は政権入りのチャンスである。自民党・公明党で単独過半数が取れなければ「第三党と連立してでも政権を維持しよう」という動きが出てくるだろう。当然、両党は立憲民主党と協力して政権を奪取しようとは考えなくなる。今の支持率を見ていると立憲民主党が大幅に躍進するとは思えない。

石破内閣は短命だと言われており「石破氏の次」を狙う動きがある。だが仮に自民党・公明党が過半数を割り込むと連立政権の構成が複雑化し「まとまるものもまとまらなくなる」可能性があるのではないかと思う。

つまり、自民党の中で主流だ・非主流だ等と言っている場合ではなくなってしまっている。小泉純一郎氏は「自民党をぶっ壊す」として総選挙に臨み大勝利したが、このままでは石破茂氏はまとまった野党もできないなかで「自民党をぶっ壊してしまう」のかもしれない。

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