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関わったら骨までしゃぶり尽くされる 統一教会問題で新しい写真発掘

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世の中には決して付き合ってはいけない人や決して手を出してはいけないものがある。例えば覚醒剤などがその一例だ。

朝日新聞が「統一教会と安倍総理の面会写真」を公開した。出直し総裁選のタイミングで「俺達のことを忘れないでくれ」と言っているように感じる。総裁候補たちは震え上がり揃って再調査を拒否した。

総裁候補たちは何を恐れているのか。考えてみた。

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鈴木エイト氏が「最後のピースが埋まるかもしれない」と興奮ぎみに投稿してからすぐに朝日新聞がスクープを掲載した。総裁応接室で統一教会幹部と政治家が揃って記念撮影をしている。偶然パーティーやイベントで撮影されたものではないことは明白だ。

写真をリークした関係者は自民党か統一教会だ。自民党関係者が出直し総裁選の前にリークした可能性は否定できないが彼らにはなんのトクもない。ここは統一教会側から出たと見るのが自然だろう。

すでに離脱している人から漏れたのかもしれないしそうではないかもしれない。だが、それは自民党内部の人たちにはわからない。相手の狙いがわからないという点が重要だ。

不確実な状況で自民党の関係者は何を考えるか。

おそらく「ああ自分も関連イベントに出席したな」とか「ああ写真を撮られているな」だろう。各議員が恐れるのは自民党の信頼などではない。「自分の写真が選挙前にばらまかれる」可能性だ。これまで積み上げてきた選挙区での運動がすべて無駄になる。

あくまでも「エビデンスのない類推」に過ぎない。だがそう考えると岸田総理が「安倍さんは死んじゃったんだからもう本当のことはわからない」と発言した気持ちは理解できる。またそれぞれの総裁候補も発言は控えるだろう。自分たちの陣営と選挙にどんな影響が出るかがわからない。

岸田総理は、国会で「(安倍元総理)本人は亡くなっており、何も釈明・弁明ができないなど、十分な調査はできないのではないかと考えている」などと答弁していて、きょうも安倍元総理に関する調査については否定的な考えを示しました。

“安倍元総理 旧統一教会幹部と総裁室で面会”報道 岸田総理 関係調査に否定的考え示す(TBS・NewsDig)

影響が出そうな総裁候補が2名いる。

鈴木エイト氏は北村経夫議員の名前を挙げている。産経新聞記者出身で現在は参議院の山口選挙区の選出だそうだ。天照皇大神宮教の創始者の孫で統一教会系の団体からも支援を受けていた。この投稿で鈴木さんは調整役として菅元官房長官の名前を挙げている。仮に小泉進次郎内閣ができれば、野党は菅氏と統一教会の関係を追求するだろう。官房長官なのだから知らないはずはない。

統一教会の日本への浸透戦略は「反共姿勢」を打ち出し政権を抱き込みつつ国家神道系など日本の宗教団体と「協力姿勢」を見せるというものだった。その裏では日本を収奪地にして信者から巻き上げた土地や財産を本国に送金していた。現地の政治勢力に食い込み収奪を企てるというのは植民地戦略そのものである。

その意味では自民党と安倍晋三総理は利用されただけなのかもしれない。

だがこれが問題視されるようになると「特定政治家の写真」がキーポイントごとにリークされるようになった。統一教会は自分たちが社会から嫌われていることがわかっている。だがそれでも関係をほのめかす。まともな人は「自分たちも傷つく」から絶対にこんなことはしない。だから、彼らはまともではない。

その狙いは明らかではない。そこがまた厄介だ。

萩生田光一氏の場合には報復というより「これまであんなに仲良くしていたのに私達のことを忘れるんですか?」とすがっているような印象もある。冷徹に報復をほのめかしているというよりは「すがりつきたい気持ち」などもあるのかもしれない。

タイミングは自民党全体にとって最悪だった。総裁選候補の基本戦略はそれぞれの候補が出てきて「未来志向」でこれからの日本について語るというものだ。だがそれぞれの候補は「出馬表明」が最高のタイミングになっている。小泉進次郎氏が典型例だがその後でボロが出て「答弁」がもたなくなっている。未来志向は「出落ち」戦略なのである。

国民が飽き始めたところで「実は統一教会の問題は全く総括されていなかった」ということがわかった。今後、候補たちがどんなに未来志向で語っても「で、統一教会問題はどうなったんですか?」で一気に冷却されてしまう。

日本人の政治姿勢は極めて独特だ。

今の政治家は世襲中心で企業に依存している。多くの有権者は「自分たちのための政治が行なわれる」とは期待しない。しかし数々の不祥事で低支持率になると「補助金や支給」の話が出てくる。

つまり国民は

  • 不機嫌であればあるほど相手が色々差し出してくる

ことを急速に学びつつある。意識が高いマスコミはこの現実に目をつぶる傾向にあるが実は政治が程よく汚れている方が都合がいいのだ。

しかしこの状況には明らかな問題が一つある。国民は政府が経済を成長させてくれるとは期待しない。できるだけ持っているものを使わず社会協力も手控える。つまり、社会問題は解決せず国民生活はどんどん縮小してしまうのだ。政治不信の結果は日本の縮小ということになる。

いずれにせよ、誰が総裁候補になろうが統一教会の問題は解決できない。選挙にどんな影響が出るかわからないからだ。下手に手を出して選挙戦から撤退されるとあるいは政権を失ってしまうかもしれない。そうなると「新総裁が総理だったのは解散までの数日」ということになってしまう。

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