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トランプ氏銃撃未遂犯ライアン・ウェズリー・ラウス(58)はどんな男だったのか

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トランプ氏を狙った銃撃犯の横顔が次第にわかってきた。ライアン・ウェズリー・ラウス(58)はハワイで建設業を営んでいたがノースカロライナ州にも生活拠点を持っているようだ。ハワイにトラックを持っているが貯金はなく事件前の月収は$3,000程度と供述している。

過去に警察と何度も軋轢を引き起こしており事業よりも政治活動に熱心だった。FBIの通報対象になっていたこともある。

最近ではウクライナ支援活動に熱心だったがウクライナ当局からは相手にされていない。過去にはトランプ氏に投票したようだがノースカロライナの予備選では民主党で参加している。

事前に12時間ゴルフ場に潜伏しトランプ氏のワンラウンド先に先回りしトランプ氏を狙ったようだ。CNNの報道を中心に人となりをまとめてみた。

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ライアン・ウェズリー・ラウス容疑者(58)について最も注目されているのが、ウクライナへへの姿勢だ。「この戦争の善悪ははっきりしている」と主張している。自身も戦争に参加しようとして断られ義勇兵募集をやりたいと当局に持ちかけていたそうだ。

ウクライナ側は「現実的ではないので申し出を断った」としている。関与を強く否定する事情は書かれていないが、カラシニコフAK-47(ただしなぜこの銃が使われたのかに関する記事はない)が使われていることもありウクライナの関与が喧伝されるとウクライナへに批判が及びかねないということはあるのかもしれない。

ラウス容疑者はハワイで小さな建設会社を営んでいたが目立った業績は上がっていない。一方で様々な問題で警察と小さな軋轢を繰り返していたようだ。あくまでも58歳という年齢からくる印象だが、本業にあまり身が入らず「何か大義を求めていた」中高年と言う印象がある。さらに予備選はノースカロライナ州で参加しており拠点もあったようだ。近所の住民は匿名を条件にFOXのインタビューに答え「20年知っているが、銃をたくさん持っていることも知っていたし、近隣住民とのトラブルも多く、なにかしでかすのではないかと恐れていた」と言っている。

前回の暗殺未遂のクルックス容疑者はいかにも不安定そうな青年だった。近年SNSでは極端な情報が飛び交っておりそれに触発し流された可能性はある。だが今回のラウス氏はおそらくは様々な情報から信念を深めて行きついには極端な行動に及んだことになる。また仕事では目立った成果を上げていないことから「自分なりの人生の意味を見つけてしまった」可能性もありそうだ。

12時間ゴルフ場に潜伏していたことから粘り強さと意思は感じるが、これが目撃されている。つまり計画はかなり杜撰なものだったといえるだろう。またGoProを持っていたことから「配信」も狙っていたのかなという気がする。GoProの中身は公開されていないようでコンテンツに関する報道は見つからなかった。

こうした事件が起きると「民主党支持者と共和党支持者のどっちが悪いのか?」という議論が起きる。両陣営に分かれて罵り合うアメリカを象徴する議論だ。CNNは2016年にはトランプ氏に投票したが今年の予備選には民主党の予備選に参加していると書いている。

ただし、この手の情報はのちになって「同姓同名だった」とわかることも少なくない。

トーマス・クルックス容疑者の場合は「民主党に寄付をしているから民主党支持者がトランプ氏を狙った」と批判があった。このため「同姓同名の別人なのではないか」との反論があり「結果的にはよくわからない」ということになっている。CBSがこんな記事を書いている。

Did the Trump gunman make a donation to Democrats? Here’s what the records show.

イーロン・マスク氏は「どうして誰もバイデンとハリスを狙わないのだ」と投稿し後で削除しているそうだ。現在のアメリカでは罵り合いどころか実際に報復をほのめかす発言も決して珍しくはない。特にマスク氏は政治プラットフォームXを所有しておりその影響力は大きい。Xの「おすすめ」にはマスク氏の投稿や明らかにトランプ氏よりの発言が配信されることが増えている印象がある。「フォロー中」に変えると少しはマシな状態になるが、それでもトランプ氏の投稿が通知されてくる場合もある。

いつもCNNやABCなどのリベラル系メディアを中心に情報を取っているので今回はFOXも見てみた。

第一に大統領経験者にふさわしい警護が受けられていないという不満があるようだ。つまり現職の大統領並みに警護を拡大しろと言っている。トランプ氏は対立を煽るような発言を繰り返しており自ら災いを招き寄せているようなところがあるが支持者たちは「警護が手薄なのは政権がきちんと仕事をしていないからだ」と理解しているのかもしれない。

次にトランプ氏の「ハリス・バイデンが対立を煽っているからこんなことになったのだ」とする発言を取り扱っている。

“He believed the rhetoric of Biden and Harris, and he acted on it,” Trump said of the gunman in an interview with Fox News Digital. “Their rhetoric is causing me to be shot at, when I am the one who is going to save the country, and they are the ones that are destroying the country — both from the inside and out.” 

Suspect Ryan Wesley Routh appears in court, faces gun charges after Trump assassination attempt

またドナルド・トランプ・ジュニア氏は「息子たちに過激な左翼がトランプ氏を狙っていると説明するのは気が滅入る」と発言している。「民主党は過激な極左に支配されており自由のために戦うトランプ氏を抹殺しようとしているのだ」との認識を植え付けようとしているのだろう。

トランプ陣営は「事実かどうかわからない情報混ぜ込み聞き手の認知力を飽和させる」手法を好む。外から見ている限り分断と対立を煽っているのはトランプ陣営なのだが「いや、実はそれは全部民主党のせいなのだ」という主張も飽和した情報空間では真実に聞こえてしまうのかもしれない。

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