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自民党各候補者の成長戦略 総裁選・代表選の経済成長戦略(2/3)

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ここでは自民党各候補者の経済・成長戦略をまとめた。河野太郎氏を除いて、なんとなく全体的に「良さそうなこと」しか書かれていない。これだけを読んで「総理・総裁候補」を選ぶのは難しそうだ。

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小林鷹之氏

NHKの出馬会見や選挙ドットコムの情報を参考にした。教育とイノベーションが柱だと言っている。元財務官僚なので緊縮派と思われるが、一応表向きは「経済が先で国家財政はあと」という説明をしている。ちなみにディープテックは画期的なイノベーションのことだ。経済産業省が推している「宝くじ」と思えばいいのではないかと思う。

  • 経済成長のためにはイノベーション(ディープティックに期待)と教育(自分で考えることができる人材の育成)が重要だ。
  • 地方にバンバン産業クラスターを作る。データセンターなどを誘致するためには電力が必要なので原子力発電所をバンバン作る。

石破茂氏

産経新聞が主張をまとめている。自身でメニューを作らず「地方の再活性化」と関連付けた組織体を作るというのが主張の柱になっているようだ。アベノミクスに対しては最も否定的な見解をはっきりと述べている。最も伝統的な合議型・正統派の自民党らしい提案で、地方組織はこれに乗りやすいだろうなあという気がする。

  • 日本創成会議を作り地方経済活性化を議論する。
  • 地方に人が移れるように地方経済を再活性化する。
  • カンフル剤に過ぎないアベノミクスでは地方の創生と女性活躍ができなかったとして修正を明言。アベノミクスの結果企業は「やすきに流れた」。

河野太郎氏

NHKから抜き出し補足した。河野太郎氏は解雇しやすくなれば「甘えきった労働者」もピリッとするだろうと思っているようだ。つまりこの中ではもっとも自由主義タカ派的といえる。また、ゾンビ企業の退出も打ち出している。

総理大臣になるにあたり不安視されていた脱原発の方向転換のためにAIなどを利用しているが将来を不安視する地方組織がこの提案には乗らないのではないかと思う。派閥依存という意味では最も守旧的な候補だが政策の主張は最も過激。本人の中でバランスをとろうとしているのかもしれないが、外から見ると「政治家としての破綻に向けて突き進んでいる」気がする。

  • 規制改革を行い民間主導での投資の好循環を作る。
  • 解雇規制緩和で労働市場に刺激を与える。
  • 出世払いの学費支援
  • ライドシェア。
  • 地域活性化につながるデジタルインフラの創設。
  • データセンターと生成AIで電力が必要なので原子力発電所も含めていろんな電力資源を確保する。河野太郎氏は原発容認に転じたことが話題になっている。
  • 誰も取り残さないDXを掲げているが政策手法に強引さがあるとも言われている

茂木敏充氏

茂木氏は自身のXでスライドを作りわかりやすく提示している。引用しやすい形でまとめてもらえると「抜き出し」ではなくなるので良い手法だと思う。ただし提案されている内容は総花的。茂木氏はライドシェア容認派であり規制改革を進めるものと見られていると解説する人もいた。

  • 中小企業の生産性向上支援。
  • 人手不足解消のためにハローワーク改革。
  • シェアリングエコノミースタートアップの支援(資金と人材)。
  • 半導体の製造拠点やデータセンター。
  • 地方大学の再活性化。
  • 稼げる農林水産省。
  • グリーン・トランスフォーメーション。

小泉進次郎氏

NHKからまとめた。小泉進次郎氏はイメージ先行型。父親の改革イメージの再来にに目を細めてうっとりするマスメディアの重鎮たちが多いのが印象的。SNSでは「良いアニキ」アピールで好感度を上げている。「選択肢を増やす」という打ち出しになっていて経済成長は主眼ではないのだろう。

小泉進次郎氏が総裁に選ばれたとすれば「自民党は選挙のための表紙選びを優先した」と考えるのが良いと思う。小林鷹之氏が「安倍派の復権」の表紙であるというのとよく似ている。

  • スタートアップに中小企業の人材が流れるように、リスキリング対応したうえで解雇規制を見直す。
  • ライドシェアの推進。
  • 過去には「資源循環(サーキュラーエコノミー)」を成長戦略として位置づける提案もしている。

林芳正氏

他候補が岸田総理の政策を覆す中、林氏は「岸田総理の政策は間違っていなかった」という立場なのだろう。新しい政策は出していない。もっとも幹事長の茂木敏充氏が令和の明智光秀と言われているのだから「明智光秀は一人で十分」という気もする。

アベノミクスには一定の成果があったとしているが、かといって「これ以上追求しよう」という考えでもないようだ。結果的に新しい経済・成長戦略がない。岸田総理がアベノミクスについて何を考えているのかもよくわからないが、林氏もそれを踏襲する形になっている。

安倍・菅・岸田政権の経済政策を踏まえ「やっとデフレから脱却できた。早いうちにデフレ脱却宣言までたどりつきたい」とも答えた。

金融所得課税の強化是非、25年の状況見定めて検討必要=自民・林氏

この他、注目されるのが高市早苗氏だ。石破茂氏はアベノミクス否定派であり、他の候補は「こっそり脱却派」である。だがおそらく高市氏は「上げ潮派」の流れを汲む経済政策を提示する可能性がある。構図としては高市氏が出揃ってはじめて全体の構図の「上下左右」が完成するものと思われる。

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