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自民党のニューホープ小林鷹之氏と統一教会

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自民党の総裁選挙が始まった。現在は20名の推薦人を確保するレースが始まっている。国民人気が高い石破茂氏が推薦人確保に苦労するなか、このレースからいち早く抜け出したのが小林鷹之氏だ。国際会議映えしそうな爽やかな高身長の若手で、東大・ハーバードという華やかな経歴で知られる。専門は経済安全保障であり二階派に所属しながら岸田総理に一本釣りされたという逸話も持つ。

ただしこの小林鷹之氏はかねてより統一教会との関係が指摘されている。このギャップは野党や週刊誌にとって見ればとてつもない「魅力」に映るだろう。また統一教会との近すぎる関係は連立パートナーの公明党との関係を複雑なものにするに違いない。

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小林鷹之氏は東大ボート部の主将経験者で身長186cmのイケメンである。国際会議などでも他国の首脳たちと引けを取らないルックスといえまさに次世代のリーダーに相応しい。また、経済安全保障という当時はあまり聞き慣れなかった分野のエキスパートだ。政策に精通しているところを岸田総理に見込まれて総理大臣肝いりの経済安全保障担当の大臣に就任している。別の人物を推した二階俊博氏は小林氏を一本釣りされて不快感を隠さなかったと言う記事も記憶している。

ところが今回の総裁選挙では少しおかしな噂を耳にする。

ネット番組で「政治と金の問題で冷遇されている安倍派を復権させなければならない」と主張していた。安倍派は政治と金の問題で岸田政権から切り捨てられた形になっている。このまま選挙に突入すれば「裏金議員」と攻撃される可能性が高い。復権は彼らにとっては生死に関わる重要な課題である。推薦人を集めるのは容易だっただろう。

だがこれだけでは終わらなかった。

統一教会に詳しい鈴木エイト氏がこんな指摘をしている。意図を要約すると次のとおりになる。

小林氏がPEACE ROADイベントに参加した。統一教会との結びつきは誰でも知っているが表向きは無関係ということになっている。ここで小林氏はうっかりと「皆さんの教義」について触れてしまった。関係はかなり深いのではないか。

もちろんこれは鈴木氏の主観が入った観測だ。どの程度信憑性があるのかを振り返ってみよう。この頃の経緯を忘れている人も多いのではないだろうか。

7月に安倍総理が暗殺された。容疑者の供述から安倍派を中心に自民党と統一教会の不適切な関係が噂されるようになる。結果的に岸田総理は統一教会関連の閣僚の更迭に踏み切った。自己申告による事実上の更迭だったため「正直者が損をする」などと言われた。

現閣僚のうち、旧統一教会や関連団体との関係を認めた岸信夫防衛相、末松信介文部科学相、二之湯智国家公安委員長、小林鷹之経済安全保障担当相のほか、野田聖子地方創生担当相、山口壮環境相、萩生田光一経済産業相らを閣僚から外した。

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この中に小林さんが入っている。小林さんの後任に指名された高市氏はわざわざ昔の雑誌の寄稿の事実をXで公にし「私を入れても構わないんですね?」と言っている。入れたからには岸田総理の任命責任だというわけだ。

だが岸田総理の「処理」には問題が多かった。自民党は結局121名のリストを公表するのだが「表面的に関係があった人」と「信条的につながっていたひと」を区別しなかった。

そもそも国民は何を疑っているのだろうか。

自分が投票しようとしている政治家が地域の有権者の方を向いているのか、あるいは特定の宗教団体と「不適切な協約」を結んでいるのか

だろう。つまり国民が知りたいことはこの「処理」からは見えてこなかった。

このあとの政治と金の問題では企業献金が課題になった。つまり、自分が投票しようとしている人が地域の代表なのか特定の企業や宗教団体の代表なのかにますます確信が持てなくなってゆく。

しかし、岸田総理は精密な調査をしなかった。自民党の選挙は党や派閥が管理していない。有権者や資金を上納して勝ってくれる議員であれば誰でもいいのだ。

それぞれの議員がどのように資金や支援者を集めてくるかが党の側から見てもブラックボックス化しているのであろう。このため小林議員が単に会合に出席しただけなのか統一教会と何らかの信条的な結びつきを持っているのか、あるいは選挙のために一種の共助契約を結んだのかが全くわからない。

小林鷹之氏が国際会議で映えそうな高身長イケメンで経済安全保障に詳しい政策痛の実力者であると言う事実は変わらない。しかし岸田政権の支持率が伸び悩んだ理由は「統一教会や裏金の問題でどうも自民党はきちんとした総括ができていない」という点にあり、その背後には「そもそも自民党の議員たちは誰の代表なのか」という根本的な疑念がある。

安倍派が凋落する原因になったのは岸信介・安倍晋三と続いた「岸家と統一教会の不適切な関係」だった。このあとに裏金問題が出てきたため統一教会の問題は半ば忘れ去られている。安倍派では不適切なキックバック問題が蔓延していたが、高市早苗氏と小林鷹之氏は安倍派に所属していなかったため裏金問題の影響を受けていない。だが高市早苗氏は森喜朗氏が推す安倍派後継と対立関係にあり素直に推すことはできない。そこで出てきたのが小林氏なのかもしれないと思う。

現在メジャーなメディアは統一教会と小林氏の不適切な関係については一切触れていない。総裁選挙に影響が出ることを恐れているのだろう。むしろ小林氏を期待の新星・若手のホープとして紹介している。だが、仮に小林氏が新しい総裁に選ばれ「統一教会議員」や「裏金議員」の復権を進めたうえで総選挙に突入すればおそらくそれは野党の攻撃材料となるはずである。また、やはり統一教会との関係が噂される萩生田光一氏は創価学会との関係が良くない。選挙協力においては障害になる可能性がある。

人々が最も敏感に反応するのは「ギャップ」だ。優秀で爽やかであると言う面が強調されればされるほどギャップは大きくなる。仮に小林氏が本当に期待のホープなら悪い情報は早めに出しておいたほうがいいし、疑念を持たれた議員の復権のために期待されているとしたら選ばないほうがいいのではないかと思う。

だがそれでもそういう人を選んでしまいかねない危険性が今の自民党にはある。

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