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情報収集に努めますという言葉の意味

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northkorea北朝鮮がミサイルを撃って来た。今回は日本海に落ちたのだが、広島や長崎にもミサイル攻撃ができる。核爆発は誘発できないとしても、汚れた放射性物質をバラまくくらいのことはできるだろう。だが、このことについて騒ぎ立てる人は多くない。北朝鮮がミサイル攻撃できる能力を保有しているという事実がいろいろと不都合だからだろう。
2015年の夏に成立した安保法制には、アメリカと協力している限りは近隣国は日本を攻撃してこないだろうという暗黙の前提があった。同盟にすがりつくことで、不安を逃れて思考停止ができたのだ。
ところがこれが実は嘘だということが分かってしまった。やけを起こした国は何をするか分からない。シリアの例で分かるように欧米と中ロの間にいる国の内戦は終結しない傾向にある。いずれにせよ、北朝鮮は厄介な存在だ。
と同時に、北朝鮮が完全に孤立していて国連制裁が効いているというのもどうやら嘘のようだ。北朝鮮が孤立していたら、外国から部品を調達することはできなかったはずだ。全てを密輸に頼っているとは考えにくい。多分、国連中心の枠組みに反発している人たちがいるのだ。中国は直接の関与を否定しつつ、裏から北朝鮮を援助することができる。直接対決すると経済的な軋轢がうまれるし、北朝鮮が勝手に暴発したとすれば「仲介者」を偽装できるからだ。もちろん、ロシアや他の国にも言えることである。
こうした国は都合がよい。戦前の日本ほど大きくなってしまうと地域の脅威になるのだが、北朝鮮の人口は数千万人しかないので地域を脅かすことがないのだ。
とはいえ、アメリカすらもどうやらそれほど協力的ではなかったようだ。衛星を通じて北朝鮮を監視しているはずなので、北朝鮮がミサイル準備をしていることは分かっているはずである。にも関わらず日本には情報提供がなかった。もし情報提供があったとすれば、政府が特定秘密を盾に隠蔽していたことになる。これは、国民を危険に晒したというのと同義だ。きっと陸地に着弾しても「知らなかった」というだろう。

※これについて、移動式だから事前に察知できなかったという話が出ているようだ。「ああ、そうですか。分からなかったから仕方ないね」とは言えない。結局、迎撃なんてできないのだ。

安倍首相は米国議会で「北朝鮮からのミサイルを撃ち落としてあげる」と約束して拍手喝采を浴びたが、そんなことはできない。そもそもミサイルが飛んでくることが分かっていないわけで、分からない物を迎撃することはできないわけだ。それが「情報収集に努める」という無力な言葉に表れている。情報収集に努めるという言葉は「何も知りませんでした」というのと同じことなのだが、なぜ誰も腹を立てないのか不思議で仕方がない。加えて、これを聞いていた米軍関係者は薄ら笑いしていたはずである。そんなことができないことをよく知っているからだ。
日本は「米国韓国と協力して北朝鮮に対応する」と言っているのだが、こともあろうに韓国から反発されている稲田朋美氏を防衛大臣にアポイントしてしまった。韓国は体面を大切にするので、軍部がこうした反韓的な人物に協力するとは思えない。8月15日に靖国神社を参拝するとは思えないが、別の日に参拝したとしても大騒ぎになるだろう。稲田氏が防衛大臣になったのは、国内の右派勢力へのアピールを狙ったものと思われるのだが、その為に国防を犠牲にしているのだ。
確かに護憲派の人たちは憲法第九条を前提に思考停止しているのだが、自称愛国者たちはもっとひどい方法で国を裏切っている。