さて、いよいよ小池新都政がはじまった。最初に決めたのは特別秘書なのだが、過去に「日本国憲法は無効だ」という宣言を出すように都議会に上程した人だということがわかった。小池さんは日本会議との結びつきが強いと言われているので、その界隈の人たちを慮ったのかもしれない。経歴を見ると、もともと小池都知事の秘書だったようだが、直近の選挙では維新から出馬して落選している。
小池さんは無所属で出たのだが、熱烈な市民の支持に支えられて徐々に有力候補になった、とされている。しかしよく考えてみれば「ポスターは誰が貼ったのだろう」とか「あの透明な選挙カーのお金は誰が出したのだろう」という疑問がわく。ところが、マスコミはいっさいそれを報じなかった。あの池上彰さんですら「本当は誰がお金を出したのか」ということを聞かなかった。
実際には強力に統制された人たちがいなければ、都知事選挙を戦うことは難しい。
この話の悲劇的なところは、無党派層のみならず、共産党の一部も小池支持に流れたというところだ。小池さんの過去の過激な言動はよく知られているし、政党を渡り歩いたことも自明の話だ。もともとは細川護煕氏について行き、その後小沢一郎氏に鞍替え。さらに小泉純一郎氏に傾倒した。しかし、黙って支えるのは嫌だったようで自分がリーダーになれないと分かるやいなや、裏切って外に出ている。
共産党支持者のほとんどが護憲派だと思うのだが「女の人だったら味方してくれるだろう」と考えたのかもしれない。どのようなイメージを小池都知事に投影したのかは分からないが、結果的には敵に利する行為を働いたのだと言える。熱心に政治を見ているように思える共産党支持者だが、実際には豊富にあった情報を読み込むリテラシーがないということになる。赤旗以外の情報の読み方が分からないのかもしれない。
組織がしっかりしていればこのような誤解はなかったのだろうということを考えると、東京では共産党支持者さえ無派閥化している可能性があるのではないかと思った。