イギリスで総選挙が行われている。今回の総選挙では保守党が敗北するといわれているがスナク首相自身も落選の危機にあるという。そんなスナク氏に挑戦状を叩きつけている一人の人物がいる。それが宇宙からやってきた(多分)ビン・フェイス(ゴミ箱顔)伯爵だ。クロワッサンの価格上限を1.10ポンドに引き上げる政策などを提唱している。
この候補者たちは実際にはオフィシャル・モンスター・レイビング・ルーニー党に所属していて、今回は22名の候補者を擁立した。ルーニー党は次期首相と目されるスターマー氏に対する刺客としてセサミ・ストリートのエルモ(の出来損ない)を送り込んだ。
ゴミ箱顔伯爵には宿敵もいる。それがバケット・ハット(バケツ帽子)卿である。バケット・ハット卿とビン・フェイス伯爵は過去にボリス・ジョンソン氏の選挙区でも対決している。二人が一緒に写真を撮影することは重大な銀河間協定違反になるそうだが、有権者に写真を求められて、あえて協定違反を犯す柔軟さを見せた。
東京都知事選でも多くのお騒がせ候補が立候補している。おそらくこれは民主主義社会では当たり前の光景なのだろう。だが、イギリスの選挙のお騒がせ候補者たちにはどこかユーモアがあり公約も軽妙なものが多い。
政治的意見を表明しない日本人の政治的発言は社会的な訓練を受けないため幼稚なままである。また精神的な幼さが目立つ。
今回の都知事選挙でも営利目的の広告が氾濫し中には敵対する政治団体の党首の悪口が書かれたものがあり陰湿そのものだった。さらにそのポスターに腹を立てて破り捨てたことを動画撮影されもみあいとなり逮捕されるという人まで出ている。ただ日本の有権者たちの中にはこうした破壊行為と他人の悪口を喜んで見物する人たちも多い。
同じパロディにするなら楽しまなければと考えるのがイギリス流のようだが、それと比較したときに日本人の精神的な余裕の無さと未成熟さも浮き彫りになる。