トランプ氏の事件は大統領経験者に対する初の有罪評決ということでかなり話題になっていた。番組の2/3ほどはこの話題でインパクトの大きさがわかる。
ただ日本語では不正確な情報もかなり出回っていた。今はSNSでアメリカの法曹関係者などとも直接交流できるので情報を取ること自体はそれほど難しくないはずだがワイドショーなどでは日本の常識に引っ張られた分析が多い印象がある。
- トランプ前大統領が34の全ての重罪(Felony)ケースで有罪評決を受ける。大統領経験者が重罪で有罪判決を受けるのは初めてとなる。陪審員は10時間の評議を重ねた。今日も判決は出ないものと思われておりトランプ氏はリラックスムードだったが陪審員が突然評決を述べ始めその場の空気が一変したそうだ。トランプ氏の顔が凍りついたそうだがアメリカでは「石化する」と表現するようだ。刑期などは7月11日に改めて言い渡される。収監されるかはわからないが収監されないにしてもHome Confinement(自宅監禁)やCommunity Serviceなどの判決が出る可能性がある。世論調査ではトランプ氏に有罪判決が出た場合には支持を考え直すとする人が一定数いるが、実際にどのような影響が出るのかは未知数である。またバイデン大統領側がどのように選挙キャンペーンを変えてくるかも未知数。トランプ氏が共和党側の最終候補者である事実は変わっていない。また番組ではコーエン氏の証言だけを聞いて判断したのではなく証言を総合的に判断した結果であると強調していた。
- バイデン大統領がアメリカ製の武器でロシアを攻撃する許可を出した。重要な方針変更と見做されている。
- チャド・デイベル氏の裁判で有罪判決。最初の奥さんと二番目の妻の2人の子供を殺した容疑を持たれていた。死刑判決が出る可能性がある。二番目の妻と一緒に保険金を受け取りApocalypse(終末論)の新興宗教を信じていたなどと報道されていた。
- タイムスクエアでナイフによる無差別攻撃(stabbing)事件。
- 鳥インフルエンザで3人目の感染者が出たが人から人への感染は報告されていない。
- トルネードの話題。
- ウォルマートのセルフレジで払い過ぎが起きていた。ウォルマートは既に大方は返金が終わっていると報告。
- 有罪判決を受けたトランプ氏が寄付金集めの活動を再開した。
日本のワイドショー報道を見ていると「重罪(Felony)」を「(大統領選挙に影響を与えるような)重大な犯罪」と勘違いしている人や収監されるはずはないと主張する人もおりかなり不確かな「プロ」の情報が出回っていた。Felonyは事件のカテゴリーを指すが罪状を一つひとつ数え上げたうえで全てに対して全員一致による有罪か「そうでないか(評決が出ず審議無効になる)」を決めるシステムになっているので「重罪に有罪の評決」という表現になるにすぎないようだ。ただし罰金で終わるような犯罪ではないのでそれなりのインパクトがある。なお有罪判決を受けた人をFelonというようだ。
確かにアメリカの刑事裁判システムは日本とかなり異なっていて複雑だ。正確な情報が知りたい人は英語で情報を取るべきかもしれない。
Bloombergによるとセルフレジに表示される価格が間違っていた。つまり高すぎるものも低すぎるものも混在していた。価格の誤表示はシステム障害によるもので1600店舗が影響を受けている。どれくらいの顧客が影響を受けたのかについてウォルマートはBloombergに情報を開示していない。Bloombergが記事を書いている時点で80%への返金が終わっているとしている。ウォルマートではこのような技術障害が頻発しているようだが、BloombergはAmazonとの競争を意識し電子化を急ぎすぎたことが背景にあるのではないかと指摘している。