スロバキアで首相暗殺未遂事件が起きた。首都ブラチスラバから190キロ離れたハンドロバという街で閣議・政府会合が行われた後に銃撃された。フィツォ首相の腹部に命中し首相は危険な状態。首都への移送も計画されたそうだが断念している。容疑者は確保・拘束された模様だが動機は不明。
- スロバキア首相銃撃、重体 腹部命中か、男を拘束(時事通信)
- スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動機不明(ロイター通信)
就任当時(2023年10月)の記事によるとフィツォ元首相は野党スメル(道標)を率いて与党を打倒した。ヨーロッパには親EU・反EU(独自主義)という対立構造があるがフィツォ氏は強烈な反EU・親ロシアの立場だった。
しかしながら、選挙で圧勝することはできなかったため政策的には妥協を余儀なくされていたものとみられる。今回のBloombergの記事には次のようにある。
フィツォ首相は民主化後のスロバキア政界をリードし続け、反欧州連合(EU)を旗印に昨年政権を奪回した。親ロシア的な姿勢が対立を生み、ウクライナ支援におけるEU内の結束を脅かしている。
EU内部の結束も脅かされているがこれは昨今のEUでは特に珍しいことではない。仮に首相が連立による妥協を強いられていたとするならば、その反動として強硬な姿勢を示し続けなればならなくなる。これが「敵」を生むことは十分に考えられる。
組織的な犯罪なのかあるいは強硬な発言を「SNSで個人的に」受け取ってしまった人なのかなどはいまのところわからない。確保された容疑者がどのような動機を語るのかに注目が集まる。
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