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人権擁護派エマニュエル駐日大使が不倫? トランプ氏の裁判が思わぬところに飛び火

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エマニュエル駐日大使は、オバマ大統領の秘書官を務めシカゴ市長も経験した民主党の大物政治家だ。日本国内では人権派・多様性重視派として知られ「ネット系保守」空は目の敵にされている。そんなエマニュエル駐日大使に不倫もみ消し疑惑が持ちあがった。口では人権擁護・多様性推進と言いながら裏では不倫をしていたの?ということになる。きっかけはトランプ裁判だった。

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現在、アメリカではトランプ氏の口止め料裁判が進行している。不倫疑惑をもみ消すための口止め料を選挙資金から出していたのではないかという刑事裁判だ。この裁判の最初の証言者であるディビッド・ペッカー氏が「小切手ジャーナリズム」の内幕を赤裸々に語り連日話題となっている。政治家をはじめとしたセレブたちの無軌道ぶりが次々と明らかなっており下世話な関心を惹きつける。

小切手ジャーナリズムは、売れるタレントを徹底的に擁護し都合が悪い情報はお金を出してもみ消すというジャーナリズム手法である。日本では写真週刊誌にあたる「スーパーマーケット・タブロイド」では盛んに用いられていたという。タブロイドはスキャンダルを探して記事にするのが商売なので、次第にもみ消しも得意になってゆくのだろう。

そんな小切手ジャーナリズムの顧客の一人としてシュワルツェネッガー元カリフォルニア州自治やエマニュエル元シカゴ市長もいたというのが今回の話である。ただしペッカー氏が勝手に言っているだけであり事実であると認定されたわけではない。

当初この話を見始めた時、ペッカー氏は免責があるからペラペラと昔の悪行を話しているのだとばかり思い込んでいた。だがそうではなかったようだ。時事通信に次のような記述がある。

ペッカー氏は、弁護側の質問に答える形で、政治家がメディアと「互恵的な」関係を持つのは普通のことだと主張。エマニュエル氏や米俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏らの情報を買い取り、スキャンダルが世に出ないよう協力したと述べた。

第一にペッカー氏は不倫ももみ消しも特に悪行とは思っていないようだ。むしろ「互恵的な」関係であるとしている。ペッカー氏はこれを友情の証ださえ考えている。だから裁判の席でそれを開陳しても悪びれるところはない。彼らのいる世界の友達はお互いに信任し合う関係ではなく「利害」によって結びついている。さらにペッカー氏にはおそらく「自分はこんなにたくさんの有名人から頼られている」という気持ちもあるのだろう。

つまりペッカー氏にはエマニュエル駐日大使を貶めるような意図はない。だからこそ信憑性が増すのである。

欲望に忠実という点では羨ましささえ感じるがやはり道徳観念は「ぶっ壊れている」と言って良い。地元紙シカゴトリビューンには献金についても書かれている。選挙を助けてあげるのだから商売にも配慮してほしいというような気持ちも含まれた「互恵的」関係だったのかもしれない。

日本人は強いアメリカに守ってもらいたいという気持ちが強い人が多い。特にネトウヨと呼ばれる人たちは人権問題で女性や弱者の権利が拡大すると自分達の権利が阻害されるとも考える。このためエマニュエル駐日大使のXのアカウントに多様性重視のコメントが出るたびにお祭り状態が繰り返される。アンビバレントな感情が強くあり強烈な反応が惹起されるのであろう。

だが、多様性重視とか日米同盟の堅持といったエマニュエル駐日大使の発言は「単なる支持者獲得のためのイメージ戦略」という側面がある。これが彼の本音であるかはわからない。実際に彼らが何を考えているのかは行動を見なければわからない。これは仮に政権が変わって共和党になっても同じことである。

どうしても人間関係に長期的な信頼を期待しがちな日本人はアメリカ人の発するメッセージに一喜一憂しがちだ。またアジア人であるという劣等感もあり「白人だったら仲間に入れてもらえるかもしれない」などと思う人もいるだろう。

しかし、そもそもアメリカ人の考える人間関係や価値観というものは信任関係に基づいた長期的なものである必要はない。さらにいえば彼らの発する言葉は外向けに一貫性が取れていればよくそれが内面と合致しなくても構わない。つまりアジア人だから排除されているわけではなく、そもそも信頼関係に基づいた友情という概念が(全くないとはいわないが)かなり希薄なのだ。

なお、今回は単にペッカー氏が勝手にそう言っているだけでありエマニュエル駐日大使が疑惑を認めたというわけではない。あくまでもAlleged Affairであるという点には注意していただきたい。確定的事実として流布してしまうと名誉毀損ということになりかねない。

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