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アメリカ人は沖縄の事件をどう捉えたか

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沖縄在住の軍属が女性を殺したニュースは国内で波紋を広げている。日本では主に基地の存在や日米同盟と結びつけて考えられているわけだが、アメリカではどのように捉えられているのだろうか。ワシントンポストのコメント欄を読んでみた。
まず「黒人が殺した」ことを重要視する人たちが多い。かなり人種差別的な内容で驚かされる。黒人はアメリカ国内でもこのような犯罪を起こしている。恥さらしだ。オバマは黒人の「兄弟」を庇っているのさという具合だ。コメント欄は匿名なのでこのようなコメントが横行するのだろう。と、同時にアメリカ人たちが治安の悪化にいらだっているのが分かる。「日本人はアメリカにないもの「安全に歩き回れる自由」がある」という人もいた。つまりアメリカではこの手の事件は決して珍しくないという認識があるのだ。
もし、容疑者が白人だったらどのような反応だったのかが気になるところだ。日本人の反応は扇情的で、外国人だから敵視しているのだという反応だったかもしれない。
自称日本通の中には沖縄は伝統的に日本の一部ではなく、本土とは別だということをいう人たちがいる。沖縄は日本の植民地的地位にあると認識しているのだ。生半可な知識は危険だとも思えるのだが、現実を見ているのかもしれないとも思う。日本人は沖縄人に基地を押し付けているという主張はあながち間違っているとは言い切れない。一方で現在の日本にはあからさまな沖縄人差別は存在しない(かつては名前で差別されるようなことがあったようだ)わけで、実情を正しく反映しているとも言えない。
中国と近海の事情についてはよく知られているようだが、国内事情の方に関心があるようで「自国国境も守れないのに、中国が日本に侵攻するのを心配してやっている場合か」という声があった。仮想敵を仕立て上げて、アメリカが引き上げたら取られてしまうというような幻想は持つべきでないということを言う人もいる。いちいちごもっともな意見だ。トランプ候補を引き合いに出して米軍は日本から撤退すべきだという人もいた。
なかには、寛大なアメリカはかつて自国を攻撃した日本をアメリカの税金で守ってやっていると考える人もいた。日米同盟は片務的だと考えているわけで、長年の日本政府が日米同盟の意義を宣伝してこなかったことが悔やまれる。米国内向けに宣伝活動を展開すべきだったのだろう。小さな珊瑚礁のために中国を敵に回すのは得策ではないから沖縄から撤退しろと言っている人もいた。いつまでもアメリカが日本をファーストプライオリティだと考えてくれているかは分からない。
多数ではないのだが、反日的な言動も見られた。日本とドイツは大量殺戮者なので背中を向けるのは危険だという人や、南京大虐殺をしているのになぜ一人のレイプで大騒ぎするのは偽善だという人もいる。
国内ニュースだけを見て事件を捉えるのは危険だろう。と、同時に海外の人たちが何を考えているのかということが直接分かるようになっているのだ。便利な世の中になったとも言える。