また、米軍属が沖縄の人を殺したということで騒ぎが起きている。日本側は「綱紀粛正」を求めているが実現しない。米軍側は沈痛な面持ちで「あってはならないことだ」などと言っているが、何もしないだろう。これまでも何もしてこなかったのだから。
逮捕された軍属の家族のインタビューを見たが貧しそうなアクセントで残酷だなと思った。こうした人が軍関係者として日本に来て、そのままアメリカに帰らずに日本人と結婚したのだ。殺すのは「誰でもよかった」みたいで女性を物色していたという話もある。両親にとっては「自分の娘が殺されなくてもよかった」というのは残忍な話だし、その他の娘を持つ基地周辺の住民(基地は沖縄にだけあるわけではない)にとってはたまったものではないだろう。
「基地があるからいけない」といえばそうなのだろうが、基地をなくすのはそんなに簡単ではなさそうだ。アメリカは犯罪予備軍のような人たちを兵隊として輸出しているわけだから「綱紀粛正」を唄っても意味はないだろう。
もう、ここは、米軍関係で入国した人には基地とゲート内の歓楽地区以外では接触させないようにすべきではないだろうかと思う。よく分からないのだが、日米地位協定は「アメリカ軍人が日本の領土内を歩き回る」ことをどのように正当化しているのだろうか。もし、日本領内に立ち入るのならば、日本の警察に従ってもらうように地位協定を変更すべきである。
個人的にはこの解決策には気が進まない点がある。知り合いにアメリカ人の弁護士がいたのだが、この人は米軍関係の仕事をしている米軍属だったが、赴任先である日本で勉強したいと考えて学校に通っていたのだが普通の(むしろ平均よりは優秀な)人だった。つまりは、米軍属といってもいろいろな人がいるのだ。壁を作れば、こういう人たちの人権は制限される。また、「アメリカ軍人は貧しいアフリカ系だから制限すべきなのだ」と言うのは、あからさまな人種差別だ。トランプ候補の「壁を作ってレイプ犯のメキシコ人を封じ込めろ」というのと何も違いはない。さらに、日本人と結婚している人もいる。この人たちは塀の中と外のどちらで暮らせばいいのだろうという問題も起るだろう。
塀を作ると、基地の中を「米国領だ」と認めてしまうことになる。沖縄だけでなく基地を擁する東京や神奈川でも抵抗は強いだろう。中には自衛隊と米軍が共同で使用している拠点があり、これがどちらの帰属になるのかという問題も出てくる。
いろいろ問題はあるが、他に有効な解決策を思いつかない。
現在の報道のレベルでは、子供のいる人がなぜ日本人の女性を襲ったのかよくわからない。妻の実家に家を建ててもらっていたという話もあり、本国よりはよい暮らしができていたのだろうから、犯罪を犯しても基地に逃げ込めばよいと考えていたというのは不自然だ。さらに、短大を出ていたらしい。「無学で乱暴者のアフリカ系」というわけでもないらしいのだ。だが、女性を襲うために探しまわっていたというのだから、通常の精神を持っているとも考えにくい。。
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“沖縄に壁を作れ” への1件のコメント
[…] 基地の中と外を壁で仕切る(これについては前回考察した) […]