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安倍晋三首相最大の罪とは何か

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トランプ大統領候補が登場してからアメリカは分断された感がある。政治家としてのキャリアを持たないトランプ候補は国民が潜在的に持っている政治家への不満を利用した。結果、全国の会場で「トランプ派」と「アンチトランプ派」の対立構造が生まれ、お互いに罵り合っている。オバマキャンペーンで人々が「Yes We Can」と統合したのと真逆な状態が生まれているのだ。
端から見るとこれは滑稽だ。彼らが本来戦うべきものはそこにはなさそうだからだ。
確かに遠くの事象はよくわかるのだが、近くのことはよくわからない。日本では右派対左派の対立が起きているが、いったい何の対立なのかよくわからない。この分断は民主党に負けた安倍晋三氏が復古的な勢力と結びついたことから始まっている。戦争に負けた結果権力を追われたのだとルサンチマンを募らせていた人たちが中心になって始めた運動だ。
この台頭に怯えた人たちはカタストロフを恐れるようになった。それは戦争・原子力の脅威であり、民主主義が根本から破壊されかねないという恐れである。放射能で汚染された1944年頃の日本というのが、おおむね左派がイメージするカタストロフではないだろうか。
だが、実際に彼らが対面するのは別のカタストロフだ。例えば子供を産んでも保育園が見つかるかはわからないし、親が倒れたときに介護の負担を個人が押し付けられかねないという社会である。社会の保護が得られないことで人生の見込みが得られないというのが本当の脅威なのだ。
一方、右派は日本の弱体化を恐れている。少子化で子供が減った結果、中国から侵略されて日本語が地球上から消えてしまうというのが彼らの予想する未来である。右派は女子供を言い聞かせて強制さえすれば子供の数が増えると考えているようだ。コミュニティによい影響力を与えて社会を発展させるという点ではほとんど惨めとしかいいようのない知識しか持ち合わせていない。いわば不満を訴える家族に怒鳴り散らしている父親みたいなものなのである。
この対立は同根の問題だということがわかる。問題を解決するには社会の持続性についてまじめに議論する必要があるのだが、人々は目の前の対立にとらわれていて本当に到来しつつある脅威については目もくれない。この観点から今のTwiiterをみてみると絶望的な気持ちになる。他人を罵倒する言葉ばかりが並んでいる。左派は右派を罵倒し、右派は左派を罵倒する。そして、けしからん発言を観察するために長い時間をスマホやパソコンの前で過ごすのである。
こうした状況の出発点となっているのが安倍晋三という政治家である。自分の栄達のために国家を分断し、人々の貴重な時間を奪っているのである。