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わいせつについて考える – このブログエントリーのお子様の閲覧はお控えください

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少し前のことだが、女性の大切な部分のコピーかなんかを配布した女性が「わいせつ電磁的記録頒布罪」容疑で逮捕されて話題になった。これ何が問題だったのだろうか。
第一に男性のものだはおおっぴらに大人のおもちゃとして売られている。3Dプリンター用に雛形を配布しても罪には問われないだろう。故に電磁的な記録を作ったからと言って罪に問われる訳ではないらしい。もっとも女性好きの男性から見れば、女性のおもちゃは気持ちが悪いだけだろう。故に男性目線で何が猥褻かを決めている可能性はある。
kandamyojin次に公に晒してみるとどうなるかを試してみる。もしこれが犯罪なら、電磁的な記録を公開したということで逮捕されてしまうだろう。この写真を見て「あれ、これはどこが卑猥なのか」という人がいるかもしれないのだが、この像を裏から見た事がないか日本の歴史を良く知らない人だろう。この像は秋葉原とお茶の水の間にある有名な神社に白昼堂々と陳列されており、正月には多くの参拝客が拝んで行く。表向きは豊穣の神ということになっているが、豊穣とは男性の繁殖力のことなのだ。
開運招福と書いてある。ここで言う「福」とはどう考えても、男性は快楽が得られますようにという意味だし、女性は繁殖力のあるいい男に出会えますようにという意味だ。正月から何を考えているのだろう。
日本人は古くからこのような繁殖力信仰を持っている。男性のものは金精と呼ばれ、女性は宝登と呼ばれることがある。「ほと」で有名な地名には横浜の保土ヶ谷や埼玉の宝登山神社などがある。宝登山神社の由来を調べたところ「火を止めたから」という理由付けになっていた。地元の人でも知らない人が多いのではないかと思う。
いずれにせよ「文明国ではない」ということになりかねないので国連には黙っておいたほ方がいいかもしれない。「恥ずかしい」と思う人もいるのではないだろうか。
ということで、おおっぴらに公開しても罪に問われることはないのではないかと思う。公開しても問題ないみたいだ。では何が問題なのか。
第一に「個人が特定されるものはだめ」なのだろう。人間には自分の立派な持ち物をひけらかしたいという気持ちがある。それはだめなのだ。司法の方というのは、自分の持ち物に自信がないか、「劣情」に関して強いコンプレックスを持っているのかもしれない。
第二に女性が自分の持ち物をひけらかしてはいけないのかもしれない。草笛光子さんによると戦後すぐには「足は出してもいいが、おへそはだめ」という時代があったらしい。今ではなんとなくトップレスはだめということになっている。
サウジアラビアでは髪の毛は女性的すぎるという理由で夫ではない男性に晒してはいけないことになっている。西洋諸国は「サウジアラビアは後進的だ」と感じるのだが、古来の日本のように女性の部分をおおっぴらに露出することにも抵抗があるのではないだろうか。西洋の進んだ倫理観というのも実はいい加減であやふやなものなのだ。
考えてみれば、男性が性的な興奮を覚える対象は何も女性の大切な部分だけではない。ハイヒールに興奮する人もいれば、高校生の体操服を盗みに入る人もいる。マンガ『変態仮面』では女性のパンティーがその対象になっているが、突き詰めれば単なる木綿、シルク,化学繊維に過ぎない。対象物の選択は極めて個人的であり、実は胸や局部だけがその対象ではないのである。