来月はアメリカ経済統計の発表停止に注意 政府閉鎖の影響で

ロイターで大きく報道されているので知っている人は既に知っていると思う。アメリカの政府が閉鎖されると経済統計の発表が止まる。アメリカの株や債権に投資をしている人や為替動向に興味・関心のある人は、アメリカの議会動向を注意しておいたほうがいいかもしれない。

米政府当局者は25日、米議会が期限までにつなぎ予算案を可決できず政府機関が一部閉鎖されれば、雇用統計や消費者物価指数(CPI)など、主要経済指標の公表が無期限で停止されることになると発表した。

米政府閉鎖なら雇用統計など主要指標の発表が停止=当局者(Reuters)






9月末に会計年度の切り替えが行われるが、来年度の予算案の成立が遅れている。議会はつなぎ予算を審議する必要があるのだが準備が間に合っていない。フリーダムコーカスと呼ばれる一部の共和党の過激な人たちが「政府を燃やそう」として審議を妨害しているからだ。トランプ候補も議会の外から政府を封鎖すべきだと怪気炎を上げている。

アメリカでは下院が予算案を準備し上院で審議することになっている。

つまり原則的には下院が予算を出さないといかなる予算案も成立しない。だが今回は緊急事態なので上院での対策が検討されている。つまりなんらかの法案が出されれば(たとえそれがどんな酷い物であっても)上院で書き換えてしまえばいいと言う意見がある。

今回のBloombergの報道を見ると上院で案を作り下院に送付するやり方が検討されているようだ。つまり上院がなんらかの案を提示したとしても下院で採決できなければ予算は成立せず政府閉鎖が現実のものとなる。ただ既に上院で妥協が成立しているのだから下院の穏健な共和党と穏健な民主党は予算案には賛成しやすくなるだろう。

上院がつなぎ予算案を可決し、下院に送付した場合、共和党のマッカーシー下院議長は採決を行うかどうかの厳しい選択を迫られることになる。

これが下院議長の解任につながると状況は泥沼化しそうだ。

マッカーシー議長の就任時のゴタゴタを考えると、今回も解任から新しい議長の就任までには紆余曲折が予想されるからである。この場合、民主党所属の下院議員がどの程度共和党の新議長に協力するのかが争点になるのだが伝統的に民主党は共和党の人事には同意しないと言われている。

アメリカの消費者の多くは景気が悪くなることを予想しているそうだ。これにともなって「リセッション」の予想がじわじわと進んでいるという。このまま景気が悪くなるかあるいは物価ががる中で景気が悪くなる「スタグフレーション」が進行するかと言う瀬戸際にある。金利上昇に伴って新規住宅着工数は減っているが住宅価格そのものは上がっていると言う報告もある。いずれにせよ、そもそも経済統計が発表されなくなると「肌感覚」以上のことは誰にもわからなくなるだろう。緊張感のある局面が続いており、なんとしてでも政府封鎖は避けてほしいものだと感じる。

アメリカの格付け会社は「政府が閉鎖されれば格付けに影響が出る」と警告を発している。だが、現在アメリカドルの他に資金の逃避先がないためこれが直ちにドル離れにつながらないという状況になっているそうだ。

なおロイターはこの他に閉鎖が予定されている政府機関について次のようにまとめている。フードバンクなど困窮者対策にも影響が出そうなのだという。

外交・軍事面ではウクライナなどの海外展開への影響が懸念されているようだが、これについては誰も答えは持っていないようだ。

さらに今回暫定的につなぎ予算が成立したとしても、おそらくそれが切れる直前に同じようなゴタゴタが続くことが予想される。つまり、今は「米ドル一強」と言う状態にあるのだが、それがいつまで続くのかはよくわからないと言う状況になっている。2024年に大統領が切り替わるとさらに予想が難しくなると言われるのはそのためである。

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