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トランプ氏は捜査妨害のために議会の外から政府封鎖をご所望

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実にたわいもない話なのだがトランプ氏が政府の封鎖を呼びかけている。政府は自分をいじめるために司法を武器化している。資金の流れが止まればそんな意地悪もできなくなるだろうと言うのだ。つまり目的は捜査妨害だ。仮に全ての犯罪捜査が止まればアメリカは大混乱するだろうが、そんなことはお構いなしといったところである。

実際の政府閉鎖まで1週間強と言うところまで来ている。民主党・共和党の中道勢力が歩み寄るシナリオも期待されるが、なかなか想定通りにゆかないのが悩ましいところである。

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トランプ前大統領は選挙結果を覆すために議会を襲撃するように呼びかけた疑いが持たれている。だが大した反省はしていないようだ。今度は「政府封鎖を呼びかけた」とロイターが書いている。目的は自分に対する捜査妨害である。資金の流れが止まれば自分への捜査も止まるだろうと本気で考えているようだ。

司法省側は「政府が止まったとしても犯罪捜査の予算は止まりませんよ」と以前に発表している。当たり前といえば当たり前の話だ。仮にトランプ氏が指摘するようなことが起きればアメリカ中は大騒ぎになるだろう。すべての犯罪捜査がとまれば国中が大混乱するのは目に見えている。

トランプ氏とその側近を起訴している特別検察官のオフィスは正式なコメントを発表していないものの、資金に関する最新の発表によれば「独立検察官のための恒久的かつ無期限の予算」でカバーされているという。

さて実際の政府部分封鎖はまだ状況が見えていない。マッカーシー下院議長は手詰まりの状態だ。ロイターは実に様々なシナリオを出しているが込み入っていてよくわからない。

最も楽観的なシナリオは「民主党と共和党の中道が手を組んで救国的に妥協する」というものだ。さらに上院が下院の法案を根本的に変えてしまうという手法も考えられる。こうすることによって「上院が予算案を発議できない」という規制を迂回することができるそうだ。

最悪のシナリオはマッカーシー議長が法案を強行した場合だ。民主党が妥協してくれれば法案が成立する可能性はあるが共和党が議長罷免に動き出せば議会は危機的な状況に落ちいるだろう。トランプ前大統領が議会の外からSNSを使って過激な発言をするのは今に始まった事ではないのだが少なくとも可能性としては共和党の議員に造反を促しより積極的に議会閉鎖に向けて動き出すと言うことも考えられなくはない。

普段から「これは世界の終わりではない」と書いている。アメリカでは予算が通らず政府機関が封鎖されるということはたまに起きている。仮に予算が通らなかったとしても直ちに国全体のサービスが麻痺状態に陥ると言うことにはならないし、アメリカ全体が無秩序状態に置かれることもない。

今回の特殊性は大統領まで勤めた人が「自分への捜査を妨害するために政府を閉鎖せよ」と叫び、その人が共和党側の筆頭候補であると言う点だ。つまり「政府をメチャクチャにしたい」と言うのが目立った民意なのである。2020年の選挙敗北が認められない人が大勢いる。彼らにとって選挙は「正義の実践」であり単なる政権選択ではない。絶対に負けてはならない戦いだし、絶対に認めてはいけない敗北なのだ。

大統領選挙の敗北が受け入れられない人たちが大勢いて「議会をメチャクチャにしてしまえ」とか「予算を妨害して政府を閉鎖してやれ」などと本気で望む人が少なからずいる。こうした人々の声も「民意」ということになる。民衆が政府の破壊を望めばそれが「イデオロギー」になり制度的に実行される可能性があるのが民主主義の本来の姿なのだ。

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