ワグネルの創業者プリゴジン氏を乗せたと見られる飛行機が墜落した。搭乗者は10名いたが全員死亡した。BBCは詳細は不明としながらも、ワグネルは「飛行機は撃墜された」と主張していると伝えている。
速報当初詳細はわかっておらず、記事を書き始めた時点ではBBCもCNNも「詳細ページを準備中」となっている。プライベートジェットでモスクワからサンクトペテルブルグに向かっていたとの報道もある。その後徐々に情報が明らかになり情報は更新されている。BBCの方がやや情報が多いが憶測も含まれているという状態である。
- Wagner boss Yevgeny Prigozhin ‘on board’ crashed Russian plane(BBC)
- Wagner chief Yevgeny Prigozhin listed amongst passengers on board plane that crashed, says Russian state media(CNN)
- 【速報】ロシア当局は、中部トベリ州で墜落した飛行機の搭乗者リストに民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が含まれていると発表した(時事)
Quoraへの書き込みによると情報はかなり錯綜しているようだ。SNSではさまざまな情報が飛び交っているという。以下、軍事ブロガーの情報を常にモニターしている人の書き込みである。つまり真偽は不明だ。
- プリゴジン氏は常に「複数の」飛行機に登場していると細工をしている(ただしこの情報も真偽不明)ので本当に乗っていたかはわからないのではないか?
- 当初は撃墜と発表されたが墜落に変わった。
プリゴジン氏はウクライナの戦争にワグネルを引き連れて参加していたが、軍の指導部と衝突を繰り返すようになる。軍の指導部の更迭を求めモスクワに進軍する「プリゴジンの乱」を引き起こす。プーチン大統領はパニックに陥っていたとも伝えらるが、反乱の鎮圧を優先しプリゴジン氏の責任を不問にしていた。
BBCは報道後急いで記事ページを準備し公開した。プーチン大統領が直接手を下したという証拠はないわけだがCIA長官の次の表現を引用し相手が油断するのを待ってから手を下したのではないかとの仄めかしを行なっている。プーチン氏は復讐という料理が冷めてから運ばれてくるのを好むというような意味合いになる。飛行機は離陸後すぐに墜落した模様だ。
“Revenge,” commented CIA director William Burns, “is a dish Putin prefers served cold” – or words to that effect.
そのあとプリゴジン氏はベラルーシでたびたびルカシェンコ大統領と接触した。一時は亡命しロシアには帰らないのではないかなどと言われていたが頻繁にロシアに入国していたとも伝えられる。
最近ではアフリカのどこかと見られる地域からのビデオメッセージを公開しアフリカでの活動について説明していた。実際にフランスが撤退した後の西アフリカで親ロシア感情が高まっておりワグネルの存在が指摘されていた。
一方、ロシア軍はリビアを訪問して地域勢力に対する支援を話し合っていたようだ。ワグネルと提携していると言われているため、軍が改めて関係を結びワグネルの影響力を排除しようとしている様子が窺える。
ロシア国防省代表団、リビア入り ワグネル提携のハフタル派が招待(時事)
ワグネルの反乱に関しては事前に内容を相談されていたとされるスロビキン総司令官の更迭が発表されたばかりだった。スロビキン氏の居所については詳細がわかっておらず自宅で軟禁状態に置かれているなどとも言われている。
プーチン大統領は南アフリカで開催されているBRICSに参加しているが、南アフリカはICC加盟国のためプーチン大統領を逮捕拘束する義務がある。このためリモート参加となっていた。西側でなくBRICSこそが多数派であると主張している。多数派となるためにはBRICSの大規模な拡張が必要だ。現在40カ国ほどがBRICSに関心を示しているという。しかし、西側ともうまくやってゆきたいブラジル、インド、南アフリカはこの方針に懐疑的な姿勢を貫いている。
- BRICS、「世界の多数派」の願望満たす=プーチン氏(Reuter)
- BRICS 加盟国拡大を議論へ(NHK)
またBRICSはロシア・ウクライナの戦争の停戦について話し合っている。中国は「仲介者」としての立場を鮮明にしており「プーチン抜き」で停戦に向けた合意が進む可能性もある。
ブラジル大統領、国連批判 「BRICSはウクライナ紛争終結に尽力」(Reuter)
事故については詳細が分かり次第報道内容をこのページに追加する。