宮古島周辺でヘリコプターが墜落してから一週間が経った。ようやく機体らしきものが発見され飽和潜水による調査が始まる。機体が見つからないことから「やはり中国が攻撃したのではないか」という憶測がなくならないとマスコミは書いている。そんな中、自民党の中には外交への影響を懸念する声が出始めた。だ、冷静になって考えてみると「ネットで中国撃墜論が燻っている」などという話を聞いたことがないと思った。
現在の最新情報は次のとおりである。
機体らしきものが見つかった。飽和潜水により確認作業を急いでいるというのが最新情報である。また機体は大きく破損していたということがわかったそうだ。一部のメディアは要救助者が1名いると書いているが、別のメディアは「周辺に人影」と書いており情報が錯綜している。これが同じ人のことを書いているのか中と周辺にそれぞれ人が確認されたのかはよくわからない。
陸上自衛隊のヘリコプターが行方不明になった事件について自民党が会議を開いた。政府は中国海軍との関係を否定したが「いまだに憶測が燻っている」として懸念する声が出ているという。中には「憶測が広まると外交関係に発展する恐れがある」などと懸念を表明する人もいたという。
防衛省や自衛隊の関係者の説明はどこかスッキリしない。Abemaプライムに出演した田母神元航空幕僚長は中国の攻撃や工作員の可能性を否定した。ネットに影響力のあるメディアで可能性を否定することで噂を払拭したいという狙いがあるのだろう。
田母神氏は「ヘリコプターというのは落ちる可能性があるものだ」という。これを「減耗率」という言葉で説明しようとする。ところが出演者の一人は「そんな危ないものに頼って大丈夫なのですか?」と疑問を投げかける。確かにその通りだ。田母神さんからの追加の説明はなかった。
おそらく、ヘリコプターが危ないことには「自衛隊の内部の人が言えないさまざまな事情」があるのだろう。予算が限られていること日本の防衛整備品がアメリカの制約を受けており必ずしも最新のものが準備できなことなどと関係者は発言できない。ましてや航空の偉い人が陸上の問題について指摘するなどということも期待できそうにない。
出演者は「日本がそんなに危ないものに頼っている」と思いたくない人が「だったら中国に攻撃されたと説明した方がいい」と感じているのではないかと解説を加えていた。
やはり、説明のなさが憶測につながっていると感じている人は多いようだ。
おそらく日本の防衛体制にはなんらかの不具合がある。ところが自衛隊の中には「恥」の意識がありそれを表立って説明することはできない。一方で日本のネット民と呼ばれる人たちも「日本の防衛は劣っている」とは思いたくない。その怒りを中国にぶつけ「中国が落としたに違いない」となる。結局、正直にありのままを話すことが一番の風評対策だ。
冷静に考えてみるとおかしなところもある。「ネットで憶測が飛び交っている」という記事はよくみるがその憶測自体を見たことがない。そこでQuoraで聞いてみたところ「Yahoo!ニュースではそんな話が飛び交っている」という指摘があった。確かにコメント欄には根拠なき憶測が飛び交っている。
となるとマスコミの関係者はYahoo!ニュースを熟読しており、それをネット全体の世論だと思い込んでいることになる。「憶測が止まない」という記事が乱発され「ああやはりそうなのかな」との懸念が自民党の政治家たちの間に募ってゆくという構図だ。
機体さえ見つかればさらに詳しい状況がわかる可能性はある。ようやく機体らしきものが見つかったようだ。
飽和潜水により確認作業を急いでいるというのが最新情報である。また機体は大きく破損していたということがわかったそうだ。一部のメディアは要救助者が1名いると書いているが、別のメディアは「周辺に人影」と書いており情報が錯綜している。これが同じ人のことを書いているのか、中と周辺にそれぞれ人が確認されたのかはよくわからない。時事通信は「中に」人影らしきものを発見したが周囲が暗かったため確認できなかったとしている。
このニュースではまだ行方不明者の氏名が1名を除いて公表されていない。家族が行方不明になっているものの外に向けては公表できない家族が大勢いることになる。防衛省には防衛省なりの事情があるのだろうが、家族の心痛は察するに余りある。