ジョージアのレジャバ駐日大使が「いまのじょーじあは、いーゆーおんどでよよいのよい、ちょちょいのちょい。 あそーれ、あ、よいしょ。」とTweetした。ほとんどの人はネタだと思ったようで続きをせがむ人もいたようだが、実は深刻な問題が起きていた。
ジョージアに限らず旧ソ連圏には親ロシア派と親EU派がいる。与党が外国人スパイを取り締まる法案を議会に提出し可決された。意図は不明だが親EU派の野党はこれを「ロシアの法律だ」と騒ぎ、一時デモが起きていた。EUは「こんな法案を通せばEU加盟は難しくなる」と警告していた。つまり瞬く間に国際問題に発展していたのだ。
実際にロシアではこの法律を使った政治勢力潰しが起きているそうだ。BBCは与党がロシアに接近するのではないかと警戒している。
親EU派の大統領は拒否権を発動すると約束していた。しかしデモは収まらない。ついにゼレンスキー大統領まで参加し親EU派を応援するという騒ぎに発展する。
騒ぎが収拾できないことに焦った与党は法案を取り下げた。元々の意図は明らかになっていないが「野党が間違った印象を振り撒いた」と説明している。
撤回を受けレジャバ駐日大使は「ジョージア与党は先ほど、ジョージアで騒動の原因となっていた「外国スパイ法案」の取り下げを発表しました。」といち早く報告。実は海外メディアの報道が日本語訳されるよりも早いお知らせだった。日本のメディアはついにこの話題に追いつけなかった。おそらく地上波を中心にテレビを見ている人は「こんなことが起きていたとは知らなかった」と感じているはずだ。レジャバ大使にはジョージアにも温泉はあるなどとTweetしていることから「観光の宣伝だ」と捉えている人もいるだろう。
本国では国を二分する対立が起きていたのだが、それを「ちょちょいのちょい」と表現したところからかなりキモの座った人であるということがわかる。デモを「音頭」と喩えていることから、あるいはもう遠くから笑うしかなかったのかもしれない。
与党勢力はおそらく法案の提出を諦めていないものと思われる。親EU派は警戒を弱めておらずデモを続ける方針なのだそうだ。今後の成り行きに注目が集まる。