トルコで野党系の候補がクルチダルオール氏に決まった。BBCなどはトルコのガンジーだなどと持ち上げており本音ではエルドアン大統領を好ましく思っていないことがわかる。一時優良党が離脱していたのだがこの離脱はなかったことになっている。
トルコの大統領選は5月14日に予定されている。エルドアン大統領の経済政策は破綻寸前だがなりふりかまわない財政拡大政策を実行して支持者の気持ちをつなぎとめている。
だが野党系は「大統領制を縮小して議会に権力を取り戻す」という大きな目標以外に共通の政策がない。このため統一大統領候補を決めきれていなかった。一時は優良党がクルチダルオール氏では勝てないとして野党連合から離脱したというニュースも流れた。
結果的に第二党の優良党が折れてクルチダルオール氏が統一候補に決まった。クルチダルオール氏は生真面目な実務派ではあるが面白味やカリスマ性には欠けると考えられており英語系のメディアでの評判はあまり良くなかった。優良党が推していたイスタンブールとアンカラの市長は副大統領候補に回るそうだ。
トルコはスウェーデンのNATO入りを妨害したりロシアに接近したりしている。特にウクライナの戦争でロシアに敵対的な記事を書くことが多いBBCなどはぜひクルチダルオール氏に勝ってもらいたいのだろう。退屈さを逆手にとって「トルコのガンジー」などと持ち上げている。クルチダルオール氏は親ヨーロッパ派なのでエルドアン大統領よりはヨーロッパにとってパートナーにしやすい。
ロイターも野党候補に期待を寄せている。地震直後ということもあり野党がやや優勢というのが現在の状況なのだそうだ。
いずれにせよようやくトルコの大統領選挙は枠組みができた。トルコにとっても大きな選挙だがNATO/EU加盟国にとっても対ロシア防衛にとっても非常にインパクトのある大統領選挙になる。