岸田総理に文春砲が発動してもおそらく退陣にはつながらない……のだが

ついに岸田総理に文春砲が出た。「〈証拠写真〉岸田文雄首相も選挙で“空白領収書”94枚 公選法違反の疑い」というものだ。形式的なものではあるのだが積もり積もったイエローカードがレッドカードになりかねないという状態にはなっている。だが田崎史郎さんは退陣にはつながらないだろうと見ているようだ。ただこの発言を見ると田崎さんはある懸念も抱えていることがわかる。それが予算の遅延だ。この時期に政権が変わり予算編成が遅れた事例が2つあるのだ。






岸田総理に政治と金にまつわる疑惑が出てきた。情報自体は開示請求して書類を調べれば見つかるほどの軽微なものなのだが累積すると政権のダメージにはつながるだろう。文春は「選挙運動費用収支報告書」の開示請求をして内容を調べたようだ。合計金額は計約9万5000円分と軽微ではある。だが「ダメなものはダメ」という内容になっている。結局これが問題になるかならないかはその時々の空気次第といえるだろう。

ちなみに寺田さんは大臣を辞任した途端に検察の捜査が始まるようだ。地元の中国新聞が伝えている。

この報道が出る前に田崎史郎さんはTBSのひるおびに出演し「岸田総理の気持ちが折れていないからまだまだ政権は続くだろう」などと擁護していた。田崎さんご本人の発言だと「へこたれていない」ということになる。総理大臣は新しい大臣の名前を読み間違えたりしているために「気持ちは折れかかっているのだろうな」などと感じてしまう。時事通信は「岸田総理お疲れ?」と書いている。

ただその後の根拠には納得感がある。現在補正予算の編成に入っている。与党としては最も旨味を感じるシーズンなのでこの時期に岸田おろしは起こらないだろうと田崎さんは主張している。非常に生々しいがこれが政局のリアルなのだろうという気はする。

だが実はこれこそが懸念材料になる。つまり今後、別の問題が起き補正予算編成が成立しないなどの状況が起これば自民党内の「旨味」に対する期待が失望に変わる可能性がある。すると岸田おろしが起き本予算が混乱しかねないのだ。

実は本予算が混乱したケースが2つある。一つは野田政権だ。支持率が上がらず党内もまとまらない。結局消費税に頼ることにしたため民主党にあった期待は一転して失望に変わった。野田総理が何を考えていたのかはよくわからないが、誰が見ても政権を失う総選挙に打って出た。政権交代が起きたのが年末になる。結局予算編成は5月にずれ込んだようだ。当時の日経新聞には「昨年の衆院解散・総選挙のあおりで予算編成がずれ込み、政府は4月1日から5月20日まで50日間の暫定予算を組んで対応した。5月の大型連休後の当初予算成立は1996年以来17年ぶり。」と書かれている。

もう一つのケースが村山政権である。夏の選挙で社会党が大敗した。この時村山さんは政権を自民党に返すつもりだったようだが河野総裁がそれを見送った。結局その後も社会党ではゴタゴタが続き最終的に社会党の事実上の解党という状態に陥った。年が明けて伊勢神宮参拝の時には政権を返上することを決めていたようで年明け退陣になった。予算成立の記事は残っていないのだが「ようやく予算が成立した」とする経団連会長のコメントがネットに残っている。日付はゴールデンウィークだった。これが日経新聞が書いている「17年ぶり」の1996年の経緯だったのである。

つまり田崎史郎さんの擁護はそのまま懸念だと考えていいだろう。状況的には乗り切れるのだが総理大臣の気持ちが折れてしまうと来年の本予算の成立に大きな影響を与えかねない。おそらく田崎史郎さんはそれを懸念しているのである。

こうした経緯を知ってか知らずかマスコミは12月に内閣改造をやるのではないかとか解散総選挙に打って出るのではなどと書きはじめている。「大臣の首を取れ」とか「内閣を入れ替えて気分を変えればなんとかなるのではないか」というようなことが延々と話し合われている。逆に「マスコミが記事を売りたいから辞任ドミノと騒いでいるのだろう」という人たちもいる。

内閣改造をして新しい大臣を入れても情報開示請求をされ洗いざらい報告書が調べられることになる。おそらく誰かしら何らかのミスはやっているだろう。逆に言えばちょっと調べればすぐにわかるような問題を誰しもが抱えているということになる。

選政治資金の運用に問題があるのは明らかである。システムをIT化して事務処理を効率化した上であらかじめ党ごとにコンプライアンス組織などを作ってチェックするなどの体制をとったほうが良さそうだ。

おそらく事務処理が追いついていないなどの単純な問題がありそうだ。それを整理しさえすればこんなに面倒なことを延々と話し合う必要はなくなるはずである。今の議論はとにかく「タイムパフォーマンス(タイパ)」が悪すぎる。

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