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アメリカ議事堂が襲われたのは全て酔っ払ったルディ・ジュリアーニのせい

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アメリカで2回目の1月6日公聴会が行われた。この日の主役はルディ・ジュリアーニ氏だった。だがジュリアーニ氏が公聴会に呼ばれたわけではない。トランプ大統領の周囲にいた人たちが口々にジュリアーニ氏を非難したのだ。選挙結果を受け入れなかったトランプ氏に合わせて勝利宣言をやろうと提案したジュリアーニ氏は酒に酔っていたという。この異常な状況を引き合いに出すことで「自分たちは止めたのだが聞き入れてもらえなかった」と正当化したものと思われる。トランプ氏はその後に膨大な長さの反論文を書いているがその内容は従来の「選挙は盗まれた」という主張の繰り返しだった。

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CNNによると公聴会は主にビデオ証言を抜粋したものだった。つまりトランプ氏が議会襲撃に関与したかきっかけになったと主張したい人たちが編集したものだ。ただし証言に参加しているのはトランプ政権の中心にいたバー元司法長官や身内のクシュナー氏ならびに娘のイヴァンカ氏などだ。彼らは自分たちを「チームノーマル」と位置付けた上でジュリアーニ氏の異常性を強調している。酩酊の強調もその一つである。

BBCもまたこの「チームノーマル」とジュリアーニ氏らの分断を強調した書き方をしている。ジュリアーニ氏の普通でない状況を強調することで「自分たちは正常な判断をしていた」と言いたいのだろう。

CNNはこの公聴会が事件化されることを望んでいるようだ。ガーランド司法長官の「この公聴会を全て視聴するつもりだ」という発言を伝えている。また検察官も同時に視聴しているという。事件化されない限り「クーデター」は単に議会のレッテル貼りということになってしまう。そして事件化の目処は立っていない。

前回の公聴会では議会襲撃事件当時のショックな映像を流し軍や警察が市民と対立する可能性があったことを浮き彫りにした。だが今回は自己愛から敗北を受け入れられないトランプ氏と酩酊状態にあり正常な判断ができないジュリアーニ氏に焦点が当たっており「チームノーマル」がその異常性を際立たせるという構成になっている。狙いは、今も一部の国民に人気のあるトランプ氏とそのチームの政権執行能力に疑問を投げかけることだろう。。

トランプ元大統領はこれに関して12ページにわたるステートメントを発表した。CNNはこのステートメントから気になる箇所を22箇所抜き出して分析している。
トランプ氏はこの公聴会は民主党に支配されており公正ではないと言っている。

CNNはのの反論文を晒すことによりトランプ大統領の自己愛に満ちた性格を嫌という程浮かび上がらせている。主張の半分では「なぜ大統領選挙が盗まれたと言えるのか」という過去の主張を延々と繰り返しており怒りに任せて筆を走らせたということがよくわかる。Business Insiderもトランプ氏の反論を伝えつつ「敗北を受け入れられず2024年にリベンジを図る」トランプ氏という像を作り出しているように見える。

問題はただこのように自分に都合が悪い現実を受け入れられず相手を指さす人の人気が衰えないというところである。いったいこの人気の秘密はどこにあるのだろう。アメリカ人は合理的な判断ができない「情弱」な人たちの集まりなのだろうか。

FOXニュースはこのトランプ氏の反論についてどう報じるのだろうかと思い恐る恐るページをクリックして見た。なんとなく「FOXニュースはみたくないものはみない」のではないかと思ったのだ。だが意外な文章が目に入った。

Trump used much of the 12-page document to rehash his unsubstantiated claims that the 2020 Presidential Election was supposedly “Rigged and Stolen.” 

rehashは「焼き直し」とか「何度もなんども同じことを繰り返す」というような意味だ。unsubstantiatedは根拠のない主張である。つまり、トランプ氏が「不正に操作され盗まれた」という根拠のない主張を焼き直して主張していると言っている。つまりFoxニュースも「選挙は盗まれた」というトランプ氏の主張を信じているわけではなさそうだ。

だがだからと言ってトランプ氏が次期大統領にふさわしくないとまでは断定していない。そればかりか「民主党が過去に固執している間にアメリカの現状は悪くなり続けている」とも主張している。

共和党の支持者もトランプ氏に問題があることはわかっている。だがそれでもトランプ氏くらいの人物でなければ民主党に対抗することはできないと感じているのだろう。拳銃は人を殺す武器だがそれを手放すこともできないというのと同じようなメンタリティを感じる。

アメリカはそれくらい追い詰められているのかもしれないと感じた。

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