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デフォルトしたスリランカはその後どうなったのか?

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以前スリランカがデフォルトするだろうと書いた。その後順調に「経過措置」が終わり「スリランカ、きょうデフォルトへ 利払い猶予期間が終了」というニュースが出たのが5月16日だった。スリランカでは石油を買う金がなくなり、このあと数ヶ月で40%のインフレに襲われることになるという。デフォルトした国がどうなるのかがよくわかる。

デフォルトを受けて金曜日のスリランカは経済が休業状態になった。土日でなんとかする目処は立っていない。そしてスリランカには世界の他の地域と同様に「新しい月曜日」がやってくる。

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スリランカの「首が回らなくなった」のは4月18日だった。その後1ヶ月間は経過措置になるのだが経過措置期間中にも払える見通しは立たなかった。このためついにデフォルトが成立したのだ。

その後19日になって財務大臣が「債権者からみれば、デフォルト(債務不履行)と見なせるだろう」とまるで他人事のようにデフォルトを宣言した。ニバード・カブラール総裁はすでに辞任しておりその後を引き継いだ中央銀行総裁だ。淡々と事態を収拾するしかない。

国民は当然怒り狂い各地でデモや暴動が起きていた。5月9日には暴動で5名がなくなり150名以上が負傷する騒ぎが起きていた。政権にしがみついていたラジャパクサ首相はこのデモでついに政権を退いたが弟の大統領はまだ大統領職を維持している。

その後、24日までIMFとの協議が続けられることになっている。だがその間に外国に支払う外貨が全くない状態になっている。もちろん国内に石油がないわけではない。代金を支払えないままコロンボ港に3隻のタンカーが係留されている状態だ。つまり、IMFとの協議が整い資金の目処が立つまでの間目の前に石油があってもスリランカ市民は石油がない状態に置かれている。

デフォルトというのはそういう状態だ。国の信用が全く失われてしまうので時刻通貨を持っていても全く信頼してもらえない。必要なのは「ハードカレンシー」と呼ばれる外貨(アメリカドル)などだがそれはとっくの昔に使い果たしてしまっている。

アメリカの非営利団体が運営するNPRによるとこんな状態らしい。

  • 金曜日にエッセンシャルワーカーを除く公務員に出勤しないように要請し学校も閉鎖
  • 数千人が数日間全国のガソリンスタンドに並ぶ。一部の人たちが限られた在庫を奪い合い争っている。
  • デモ隊が燃料を要求して主要道路を封鎖・大統領府も1ヶ月以上占拠されている。
  • 1日4時間の停電

週明けには経済活動を再開したいところだがまだ必要な物資を確保する目処が立っていないそうだ。

お金(現地通貨)はあるのにモノがないというのは、台風などの災害直後の日本でもよく見られる光景だ。日本ではパンやカップラーメなどが店頭から消えたりする。だが、日本の場合は「いずれ経済は回復する」ことがわかっているため人々が略奪に及ぶことはない。

だがスリランカでは一体いつになったら経済が回復するかわからない状態だ。さらに今後数カ月の間に40%程度の物価上昇が見込まれるそうである。お金を持っていてもモノが入ってこなければ買うことはできないのだから通貨の価値が下がりモノの値段が爆発的に上がってしまうのだ。

スリランカの混乱に関するニュースは日本ではあまり扱われていないがYouTubeにかなりの数のニュースがアップされている。検索したものをそのまま見てみた。

石油がなくなることで仕事ができなくなり多くの人が収入を得る道を絶たれている。また肥料を買う金もなく農作物も被害を受けているそうだ。農家の人は目の前の高速道路を見て経済成長を実感してたようだがデフォルトになって「実はそれよりも優先順位が高いものがあった」と気がついたようだ。

これらのニュースを見ると文字では伝わらないリアルな現地の様子を知ることができる。

難しいことはよくわからないがとにかく政治家を信頼してついてきた人たちが「とにかく現状をなんとかしろ」と街に繰り出している様子がわかる。だが国民にできることはほとんどない。

目の前の洋上にはタンカーが浮かんでいて石油はある。だがスリランカ政府にはそれを買う金がないので黙って見ているしかない。市民達は疲れ果てるまで街でデモに参加したりガソリンスタンドに並んだりすることだけはできるがガソリンがなければ仕事をすることもできない。中にはガソリンスタンドを襲う人もおり軍隊がガソリンスタンドを守っている。政治家はただ右往左往するばかりだ。

ビデオの中で「インドと日本に援助を求める」とする識者の声が紹介されていた。日本は5月20日に資金援助を決めている。中国と良い関係を保っていたスリランカだったが今回中国は対して助けてくれなかった。

そこで人々は再びインドと日本に期待を寄せているのである。

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