ざっくり解説 時々深掘り

日本政府に染み付いた「すぐに事実と異なることを言ってしまう体質」

どうして日本政府はこうも簡単に嘘をつくのだろう?と思う。嘘と言ってもそれほど悪意のある嘘ではない。ついてもすぐにバレるような内容が多い。

アフガニスタンのカブールが陥落してしばらく経った。あれっと思うことがあった。読売新聞によると「若干名の日本人が残っているので自衛隊機が助けに行きます」という発表だった。だが1名しか救出できないということがわかると一転して「自分たちの希望での残っている人がいる」という説明に変わった。つまり「自分たちの都合で残っている」ということにしたのである。ちなみに帰って来たのは共闘通信の通信員の安井浩美さんという方なんだそうだ。そういえば最初は500名と言っていたよなと思った。ソースが見つからないので書くのを諦めていたのだが、福山哲さんのTweetにもそう書いてあった。

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早速Twitterでは「アフガニスタン人の協力者と家族が取り残されている」というメッセージが上がった。よく読むとアフガニスタン人と書かれており日本人ではない。さらにアカウントがTwitter社から非表示扱いされてしまっている。デマの可能性もあるわけだがデマでない可能性もある。いずれにせよマスコミか野党が調べてJICA職員の家族から話を聞くということになれば、政府の説明が正しいのかどうかということがわかるだろう。

色々と考えたのだが、おそらく内情は大した話ではないと思う。「アフガニスタン帰還の輸送に手が足りないから日本からも応援してくれないか」という要請が米軍からあったのだろう。だが米軍支援ということになるとうるさいので「たくさんの日本人と日本関係者が自衛隊を待ってますよ」というイメージを作りたかったのかもしれない。

アメリカ軍を助けるために飛行機を出したと言っては野党が騒ぐ。だが現地のアフガニスタン人を助けたとすると今度は「難民を増やすのか」と保守派に攻撃される。すると「日本人を救出しますよ」と言わざるを得ない。

だが、自爆テロが起きてしまい「米軍の需要」が少なくなった。日本人も空港にたどり着けないようだ。こうして規模を少なく発信するようになった。実際に奪還できたのはひとりだけ(あとはアメリカに要請されたアフガニスタン人が数十名含まれていたようである)なので「みんな実はアフガニスタンに残りたいって言っているんですよ」というような話になったのではないかと思う。

現在は辻褄を合わせるために「これからも帰還に全力を尽くしてまいります、いつまでかは答えられませんが」という説明になっている。みんなが「帰りたくない」と言っているなら別に全力をつくす必要もないわけで言っていることはもうめちゃくちゃである。だがその場さえごまかせればいい、後の嘘は明日考えようということになっている。文書隠蔽政権の最末期というのはこんな感じで終わりそうだ。

調べてゆくとさらに色々と不都合なことがわかってくる。まずフランスはいち早く大使館関係者らを避難させていたということである。情報は出回っていたのだ。日本政府は一体何をしていたのだろうかということになる。退避した人たちの中にはアフガニスタン人も含まれている。日本では予期せぬ陥落という感じで伝わっているのだが実はそうではなかった。テロについても事前に情報を掴んでいたそうだ。日本政府の対応が後手に回っていたことはこうした読み物を読めばすぐにわかってしまう。時事通信の記事にも与党内から批判が出ていると書かれている。当然だ。

日本政府は身内の危機管理は徹底して行った。外務省は大使館職員だけはいち早く退避させていた。英国の軍用機を使ったということだ。これは8月17日のことだった。官尊民卑という言葉がぴったりな対応である。

危機管理も間違えているが「情」という意味でも外国に負けている。

おそらく技術者などの流出を恐れたタリバン側はアフガニスタン人の逃避を妨害している。韓国のキム参事官は大使と一緒に在アフガン韓国人の脱出を安全に支援した後で一人カブールに戻りアフガニスタン人協力者たちの退避を手伝ったそうである。日本人大使館関係者たちは自分たちだけ逃げた。だがキム参事官は戻ったのだ。

韓国人の情の厚さが伝わってくる対応だ。このあと金浦空港に迎え入れて歓待したというTweetもあった。おそらくこれが日本であれば「アフガニスタン人は難民として日本に居着くつもりであろう」としてバッシングの対象になりそうだ。

この話が大きく伝えられることはないのだろうが「実はあのとき嘘をついていたようだ」ということが散発的に伝わることになるのではないか。嘘というと名誉毀損ということになるかもしれないので実力の無さを「事実と異なる説明」で乗り切って来た8年だったとと書いておいたほうがいいのかもしれない。

安倍・菅・二階ラインは今度の総裁選を必死で戦わなくてはならない。これまで冷遇されて来た石破茂さんや河井夫妻1億5000万円事件で軋轢がある岸田さんに「内部調査」されては困ることがたくさんあるだろうからだ。

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