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Twitter越しの戦争

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トランプ大統領がシリアからの撤退を決めた。アメリカはシリアでクルド人を支援していた。これが無駄だというのがトランプ大統領の見込みだったのだろう。第二次世界大戦でアメリカを助けてくれなかったと無茶苦茶な説明をしたそうだ。

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共和党は撤退に強硬に反対した人たちが多かったがトランプ大統領は耳を貸さなかった。そして、対策としてTwitterで脅しをかけた。トルコに「シリアに手を出したら経済が大変なことになるぞ」と脅したのだ。口先介入である。

慌てた米軍関係者はコメントを出した。

トランプ氏による突然のシリア撤退発表を受け、米国防総省や米国務省高官も、トルコによる軍事作戦を承認しないと表明した。国防総省のジョナサン・ホフマン報道官は声明で、「国防総省は、トルコに対しはっきり申し上げる。我々は大統領が発表した、シリア北部へのトルコによる軍事行動を支持しない」と述べた。

シリア北東部から撤退表明のトランプ氏、トルコをけん制 経済を「破壊する」と

もちろんTwitterによる脅しが効果的なはずはない。アメリカが割れていることをTwitter越しで知ったエルドアン大統領はTwitter越しに「シリアへの攻撃を命令した」というメッセージを出した。トルコ語なのだがGoogle翻訳すると攻撃を宣言している。Twitterによる戦争の布告とさえ見える。

もちろん、他国への侵略は許可されていないのだが、エルドアン大統領は国連で決議済みの内乱鎮圧をしているだけだと言っている。ただしエルドアン大統領が言っているテロ組織とはISではなくトルコ国内でも独立を狙っているクルド人のことである。

トランプ大統領の口先の説明とは異なり、国際社会はトランプ大統領はクルド人を見捨てたと考えているようだ。戦費を削減して浮いたお金をメキシコ国境への壁に使えれば選挙ではいい顔ができる。ただ、その裏では多くの犠牲者が出るだろうことは誰でも予想できた。

我々が考えているTwitter戦争というのはせいぜい単なる罵り合いだがここでは違っていた。早速地上戦の結果、民間人を含む15名の死者が出たそうだ。これからも出続けるかもしれない。Twitterのつぶやきで死者が出たのである。

アメリカではこの話は内政と結びつけられている。BBCは「上院共和党を味方につけておかないと」と言っているがこれは大統領弾劾を踏まえた感想だろう。大統領が周囲が止めるのを聞かずに死者が出たとなれば共和党は大統領をかばえなくなる。米軍関係者の死者が出ればおそらく単なる非難では済まなくなるだろう。

アメリカの有権者(特にトランプ大統領の支持者たち)は国内問題に夢中になっていて国際情勢や米軍の果たす役割について全く考慮していない。これは大変恐ろしく間違ったことなのだが、現実的にはそうなっている。アメリカに防衛を依存する日本もそろそろこの問題について真剣に考えたほうがいい。

トランプ大統領は同盟国はアメリカに付け込んでいると考えているようである。同盟国という意味では日本も例外ではあるまい。そもそも日本はかつてアメリカを助けるどころか敵国だったのである。

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