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2026年になってなぜアメリカの民主主義は突然激しく燃えだしたのか

7〜10分

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本日の記事は「アメリカの民主主義ははたして大丈夫なのか」については書かない。燃えていることを前提になぜ燃えたのか、いつまで燃えるのかを書く。

おそらく日本のニュースを見ている人は「世界の警察官としてのアメリカの地位が揺らいでいる」と考えるのだろうが、実はこれは副産物である。実際に燃えているのは議会制民主主義だ。そしておそらくそれはしばらく止まらないだろう。

トランプ大統領はベネズエラ侵攻について「議会には話をしなかったが石油会社とは話をしていた」と主張している。退任予定の有力議員がAmateur Hour is Over(遊びの時間はおわりだ)と(大統領ではなく)スティーブン・ミラー氏を批判したが追従する人は出ていない。上院では戦争権限を制限する法案が成立する予定だが下院の賛同が得られる見通しはなく、また大統領の拒否権を跳ね返すことはできないものと見られている。

そもそも今アメリカ合衆国では何が起きているのか。

トランプ大統領はこのままでは中間選挙に負けてしまうと考えている。このため「中間選挙で負ければ弾劾裁判が行われる」と危機感をつのらせた大統領が成果を必要としていた。ところが関税政策が最高裁判所にブロックされる可能性がある。また経済政策も必ずしもうまく行っているとはいえない。

ところが一つだけトランプ大統領が何でもできてしまう分野があった。それが戦争だ。国際法が実効性を失っておりアメリカの憲法も大統領に強い制限を与えていなかった。

この大統領の政策を推進しているのがティリス上院議員に「アマチュア」と批判されたスティーブン・ミラー氏である。ミラー氏の学生時代は「意識高い系」が主流だった。ミラー氏は意識高い系に対する反発から政治的な意見を組み立てていったため主義主張に核がない。ところが結果的にミラー氏の主張は合衆国憲法と国際法の脆弱性を「ピンポイント」で攻撃することに成功した。

弾劾に怯えるトランプ大統領はこのスティーブン・ミラー氏の「政策」がことごとく当たっていることを認識しているが、実際に彼らがやっているのは議会制民主主義、アメリカという正義の価値観、国際法、アメリカの国際的地位の破壊という放火活動にすぎない。つまり「火をつけたら思いのほかよく燃えた=うまく行った」と思っているのだ。

トランプ大統領の放火活動は挙げれば枚挙にいとまがない。

例えば先日ロシアのタンカーを拿捕した。ベネズエラの石油はすべてアメリカのものであり、ベネズエラはこれからアメリカ製品だけを買うのだと言っている。そもそも自分たちは世界中からやすいものを買い漁っているのにベネズエラにはアメリカ製品だけを買えという。これはアメリカがベネズエラを植民地にし、世界中の海で海賊活動をやるという宣言である。「アマチュア」とは恐ろしいものだ。

ヨーロッパはウクライナ情勢でアメリカの協力を必要としていたがグリーンランドが標的になっておりベネズエラの攻撃に対してかなりネガティブな反応が出ている。スターマー首相はロシアタンカーの拿捕に賛成したがドイツの大統領は名指しは避けつつも「強盗」と強い言葉でアメリカを批判している。これまでアメリカ合衆国は「世界秩序を守るための警官」だったのだがついに「強盗」に落ちぶれてしまったのだ。

トランプ大統領は自身の弾劾に対する強い恐怖心から「放火活動」にいそしんでおり、今のアメリカには議会や裁判所というブレーキがない。つまり付け火やり放題という状態になっている。そして燃やしているのはアメリカの議会制民主主義であり国際秩序の破壊はそのおまけ行為なのである。

さて「アメリカが燃えている」事はわかった。ではいつまで燃えるかという問題が出てくる。実はこれがよくわからなくなってきている。

いずれにせよこのニュースはしばらく燃え続けることが予想されるので、日々の断片的なニュースに疲弊しないようにこころがけなければならない。

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