9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


高市自己都合解散と正解を求める有権者

8〜12分

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選挙の公示は27日だが、それに先立ってインターネット番組で党首討論が行われたそうだ。中には各党首の討論の力量などを比べて観客席から楽しむひとも多かったようである。しかしながらその内容を冷静に判断すると外部リファレンスを失いつつある中で、日本全体が「動いていないのに動いているふりをするモード」に入ったことが分かる。おそらく薄々は「もうこの先はないな」と気がついているのだろう。

誰も何も決めたくないのに、選挙の打ち出しは「自分たちで未来をつくる選挙」になっている。これ以上の皮肉はない。

自分が政治にあまり興味を持っていなかった場合、AIに対してどのような質問をするのか?と考えてみた。おそらく「どの政党に入れるのが正解なのか」を聞くのではないかと思った。しかしAIが正解を提示することはない。だから「AIが誘導する正解」を分析すれば有権者の思想が見えてくるのではないかとの仮説を立てた。

AI(ChatGPT)の出力は意外なものだった。正解を求める人が多いのは確かだが、何が正解なのか考えましょうとユーザーを誘導すると離脱してしまう人が多いそうだ。

同時に「誰も見ていない」ところでも「自分の価値観を表に出す」ことに強い制限がかかっているという事がわかる。有権者は恥ずかしくて自分の意見が言えないのではない。そもそも自分自身が主権者として問題を考えることを拒否している。

ただしこれはAIの学習の結果でありすべての有権者を代表しているわけではない。

そんな中で行われた討論会は興味深かった。

デイリースポーツによると百田尚樹さんと田村智子さんのやり取りに注目が集まったという。自分たちは主権者ではなくあくまでも観客なのだと思いたい人々の願望を忠実に反映している。

一方でリベラルと呼ばれる人たちは「高市総理を含めた自民党は統一教会と関係を持っていた!」と声高に叫んでいる。政権選択のための意思決定ではなく「自分たちだけは汚いものに関わりたくない」と主張し、それを社会正義と言い換えている。

日経新聞は社説で消費税ポピュリズムに強く反応していた。消費税を法人税の代替財源と見ているのだろう。毎日新聞によれば地方自治体も「減税ポピュリズム」に反対しているそうだ。しかし彼らもけっして「消費税減税反対」を政治主張としては打ち出さない。あくまでも懸念を表明して批判するだけ。

高市総理は財源を国民会議に求め「とりあえず2年は赤字国債なしで食料消費税を減税できる」と主張している。中道の共同代表である野田佳彦共同代表も同意見。一方で維新は成長とコストカットで財源が捻出できると主張し中道の斎藤共同代表も「投資で稼げばいいじゃないか」と言っている。

つまりどの政党も実は主体的に財源についての説明をしていない。特に高市総理は「自分たちで決めるのは荷が重いのでみんなで決めましょう」と意思決定を丸投げして逃げている。自民党税調から宮沢洋一氏を追い出した後でアイディアガセる人が残らなかったのだろう。税調のインナーの一人だった片山さつき氏も今や財務大臣である。高市総理の「責任ある積極財政」は言葉だけなのだ。

自民党の高市総理は「私か私以外を選んでくれ」と言っているが、この議論さえも噛み合っていない。中道改革連合の野田佳彦共同代表は「政権交代よりも将来のリベラルの受け皿づくりが重要」と論点をずらしている。財源探しに行き詰まり財務省の提唱する消費税増税を飲まざるを得なかった時代のトラウマを今も解消できていない事がわかる。

高市総理は自己都合解散宣言で「私が決めたんじゃない、国民が決めたんだ」という形を作りたがっている。一方で多くの国民は「決めることはリスクになる」という自己規制で自分を「責任(=誰に対するどんな責任なのか?)」から守っている。

一方でアメリカ合衆国は防衛費負担5%を求めている。おそらくこの選挙で議論になることはないだろうが、トランプ大統領を背景に自分の権威をつけようとしていた高市総理は今後かなり大変な思いをするだろう。

こうした状況を俯瞰すると実は国民も政治家も「おそらくこのままではこの国はもたないのだろうが、最後の引き金は引きたくない」と考えていることが分かる。実は皆もうわかっているのだ。

これを高市総理は「自分たちで未来をつくる選挙」と主張しているのである。

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