自民党が国会日程調整において施政方針演説の日程を提示しなかったことが話題になっている。これを受けて解散総選挙が既成事実化した。日経平均は初の53000円台に乗せている。一方で円安が進行し1ドル159円台に乗った。資産と生活を自分で守り抜く時代がやってきた。
高市総理の支持者を見ていると「コスパタイパ思考」でたいてい説明ができると気がついた。若い人ほどコスパタイパ思考が強いがこれは合理的行動様式というより社会規範になっておりコスパタイパが悪いものを叩く傾向も出ている。そしてこの結果、わかりやすい高市総理が高い支持率を集めているのだ。
石破総理が「なぜ解散するのかを説明せよ」と表明したところ、ネットでは批判が殺到したという。石破総理のプロセスを重視する思考はわかりにくいと判断されたのだろう。人々の暮らしには余裕がなく「じっくり考えること」が悪だとみなされている。
つまり高市総理が大義など示さなくても大人たちが慌てていることが大義だと感じる有権者が増えるかもしれない。大人がなにか慌てるということはきっと大人たちに都合が悪い事があるからなんだろうという単純化された受け止めだ。
おそらくこの思考を節約する「コスパ・タイパ」の流れは止められないだろう。安易なコスパ・タイパ思考は社会や国家に悪影響を与えるなどと主張してみても炎上を招くのが関の山。ここはコスパ・タイパ思考を強めてゆく社会がどうなるかを見きわめ一人ひとりが最適な行動を取らなければならない。
前提を変えず単に生産性だけを上げてゆく社会は、結果的に徒労と疲弊に飲み込まれてゆくことになる。負担感は増えてゆくはずである。しかしこれも自らが選び取った運命なので「どうぞご自由に」というしかない。擦り切れるまで正解を追求してほしい。気がつく頃には人生を諦められる年代に達しているかもしれない。
高市総理の新しい経済対策はインフレを容認し、円の価値が下がってゆく未来。今回の国政選挙で高市自民党が勝てばその未来を国民が選択したことを意味している。言い逃れはできない。
これは通貨としての円の価値の下落と金利の上昇をもたらすだろう。しかし、価格を家計に転嫁できる企業はこの影響を受けにくい。株価上昇の影響を受けたのは、アメリカのハイテクブームとリンクした半導体関連、防衛・航空宇宙関連、輸出関連だった。一方で内需は関連株は買われておらず、市場が冷静に今後の日本経済が冷え込むことを予想していることが分かる。
こうした状況下では常に株式市場の動きに目を光らせておくことが重要になる。三菱商事が株式分割を行い「買いやすい株」になっていたが、瞬く間に値段が上昇した。今度は2026年に伊藤忠商事が株式分割を行い「手が届く株」として人気を集めている。
しかしながら預金と違い株式市場には下落に対する価格保証がない。高市政権の選択によって株価が上昇してもそれが永遠に続く保証はない。円をそのまま貯金していても価値が目減りするだけなので株式市場に参入しないわけには行かないが、株式市場にお金を預けた瞬間から、政治や地政学のニュースを見続けなければならないという新しい負担が増えてしまう。
高市支持者は「経済の仕組みを勉強するのはコスパが悪い」と考える。そして自分の気持に沿った「高市総理によって株価が上がった」というニュースだけを選択的に重要視し、円安が進んでいるというニュースは無視しようとするだろう。
特に株を持っていないような高市支持者は熱狂的な支持で生活苦を招き入れていることになるが、これも自己責任である。そもそもドル円相場がスーパーの値札に直結するなどということが理解できない人もいるかも知れない。知らぬが仏だ。
なお財政拡張派の元締めの城内実大臣は「自分たちのやhっていることと金融市場は関係ない」と言っている。おそらく彼らは責任を取らないだろう。自分たちは単に選択肢を与えただけであって、最終責任を取るのは主権者たる国民なのだから。無責任な政治家だとは思うが国民主権・民主主義の観点から間違ったことは言っていない。
為替や金利は様々な要因で決まり、財政政策のみ取り出せない=城内成長戦略相(REUTERS)

コメントを残す