9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


高市総理大臣が年頭会見で外務省の資料を棒読み

6〜10分

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高市総理が伊勢で年頭記者会見を行った。ベネズエラ問題に関して外務省の資料を丸読みしたそうだ。「棒読み」ではなく「活き活きと読んだ」と批判したい人はいるかもしれない。

高市総理の台湾有事発言は中国との関係を悪化させただけでなく「外務省を統治できていない」ということを示した。一方で立憲民主党も大きな批判にさらされている。このトラウマを内部処理できなかったため、日本の政治はベネズエラ問題を評価できなくなってしまったのだ。

結果的に高市総理は外務省が作った資料にほぼ手を入れることなく読んだそうだ。しばらくお待ち下さいの画面が出たまま固まったコンピュータシステムのような出力だ。

  1. 民間人の被害状況など米の攻撃が国際法違反か否かを判断するには材料が不足している、
  2. トランプ米大統領の判断には触れず民主主義や法の支配に反してきたマドゥロ政権が転機を迎えた点に着目する、
  3. 日本人保護の姿勢を強調する、

グリーンランドを併合される可能性が出てきたヨーロッパは国際法の遵守を求めているが、日本は判断じたいを避けているのだから表立ってヨーロッパと協調行動が取れない。

日本外交と高市総理の行き詰まりの原因は意外と根が深い。

日本は自ら考えて中国大陸進出を決め結果的に大失敗した。このため戦後は一貫して自分で考えることを拒否しアメリカを外部参照先に選んできた。そして国内政治が行き詰まれば行き詰るほど「アメリカという正解に依拠していれば安全なのだ」という神話に傾倒してゆく。その結果生まれたのが「トランプ神と唯一話せる巫女」の高市総理大臣だった。

おそらく日本のメディアは「トランプ神など居なかった」と明言することはないだろう。神殿を暴くことは文化的にタブーである。

しかし今回の出来事は明確に日本人一人ひとりに「あれ、最近のアメリカはなにかおかしいぞ?」という疑念を生み出したはずである。この内的な変化は僅かではあるものの不可逆的変化を生み出すことになるだろう。

高市総理のポジションは崩壊し、なおかつその崩壊を言い出せないまま、今後政権を運営することになる。そして自民党は高市総理の個人的な人気に依存している。自民党が頼りにできるのは伊勢神宮で掲げてみせた安倍総理の遺影だけだ。

次の争点は「国民会議」である。国民会議には憲法上は何の地位もない。つまり国民・議会に対して説明責任がなく「選挙対策=負担軽減」のみが話し合われることになるだろう。自民党は改革の責任を野党にも押し付けたいのだろうが少数与党のままで財政的な責任のみを押し付けられることになるだろう。

アメリカというリファレンスを失った日本は、今後「まだまだ情報が足りない、意思決定ができない」といい続けるだろう。それはもちろん高市総理だけの問題ではない。しかし自らが責任を取りたくない野党はこれを高市問題とみなすはずだ。

特に国際問題での対応力不足は今や国益を損なう深刻な問題になりつつある。アメリカ合衆国が目指す新しい世界帝国はグリーンランドからコロンビア・ベネズエラあたりまでを含んでおり西の境界線はハワイである。つまり日本は「勢力圏」に入れてもらえない。

一方でアメリカは中国やロシアと言った新しい帝国が世界覇権を取ることも恐れており牽制のための道具も必要としている。エネルギーを持たない日本とヨーロッパは産油国を味方につけつつ新しい帝国の間でバランスを取る必要があるが、このままでは中国を牽制する捨て石になる。

国連安保理では「ベネズエラの次」を恐れる声が高まっており、コロンビア・デンマーク・イラン・パナマが反発の声を上げている。

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