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青いピル 高市早苗総理の高支持率の不都合な真実

7〜11分

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今回のお話は赤いピルである。青いピルが飲みたい人は今すぐブラウザーを閉じてほしい。

  • ブザウザーを閉じれば、物語は終わりだ。ベッドで目が覚め、君は好きなものを信じる。

ということである。

共同通信によれば高市総理の支持率は高いままだった。しかし内容を見れば論理的にはおかしなところがある。日中関係は悪化しているがその原因となった答弁が不用意だったとは思われておらず支持率も高いまま。

  • 高市総理の支持率が67.5%
  • 答弁が不用意だったとは思わないが57.0%
  • 答弁を受けた日中関係の悪化で日本経済に悪い影響を与える59.9%

さらに

  • 物価高対策には期待してる64.2%
  • 物価高対策のおこめ券配布は効果が小さい82.4%

となっている。将来の物価高対策には期待しているが、具体策が出てくると「これじゃない」と考える人が多い。

ここから高市総理に人々が期待しているのはなにか別のものであるということがわかる。そしてこの不整合から人々は何かを薄々感づいているとも理解できる。

ではそれはなにか。他者を事例にするとわかりやすい。

維新は大阪ありきの副首都構想を推進している。万博の後のIRでは弱すぎるからだろうと自民党関係者は考えている。ではなぜ維新は次々に新しいプロジェクトが必要なのか。

大阪は繊維産業と家電産業が流出し衰退フェイズにある。大阪府民は「自分たちはこの先どうなってしまうのだろう」と不安を感じていた。そこで維新は大阪を東京みたいにすれば「東京になれるかもしれない」という「希望」を置いた。

大阪以外の人々から見れば「そんなはずはない」程度のまやかしだが、おそらく維新を支持する大阪府民もそんな事は考えていないだろう。しかし、維新が提示する夢にすがっている間は「将来がますます暗くなるかもしれない」という予測について考えずに済む。

実は同じ構造が高市総理大臣の支持者たちにもある。高市総理の政策が本当に経済を良くするとは考えないかもしれない。しかし高市総理を支持している間は暗い将来を考えなくて済むわけである。

ではこれは、高市総理や維新の支持者たちだけの問題なのだろうか。実はそうではない。

日本の左派と言われる人たちは「自分たちが清廉」であることを強く意識している。このため2011年東日本大震災のあとの原発事故に強い拒否反応を持ち、2014年から2015年の集団的自衛権の問題では自分たちが再び死穢(=戦争)に関わる可能性を拒否した。当ブログ自身がそのような傾向を持っていたことは過去ログを見ていただけわかっていただけると思う。

彼らはとにかく穢を避けたいが「自分たちが清廉である」ことを証明するためには絶えず「穢れたもの」である「安倍政権とその残滓」を必要としている。だから彼らはそのような「物語」を読みたがる。

これは右派も同じである。自分たちは本来強いはずなのに「左派のせいで弱体化している」と考えたがっている。本来まとまりのある国家であるはずが立憲民主党やマスコミのせいで弱くなっていると考えたがっているのである。

これをまとめると次のような結論が得られる。

  • 日本の有権者は、自分たちが対処する問題が存在すると「薄々」気がついている
  • 気がついているからこそ「そこから目を背けよう」とする
  • そのためにそれぞれ「しがみつく」何かを持っている
  • と同時に政治について知ればするほど、しがみつく他者の存在から、それが単なるまやかしだと気がついてしまう

ここまであえて誰も責めなかったのは「誰かを責め立てること」そのものが彼らにとってはまやかしの薬になってしまうからだ。と同時に、ここまで読み進めてしまった人はすでに我々がどんな現実にいるのかと気がついてしまったはずである。

だから最初に警告した。

  • ブザウザーを閉じれば、物語は終わりだ。ベッドで目が覚め、君は好きなものを信じる。

原典では赤いピル(仮想現実から目覚めること)が選択されているが、青のピルを飲むほうが簡単な道だったはずだ。誰も青いピルを飲んだ人を責められない。

なお自民党はこの構造に薄々気がついており、負担の議論を先送りしている。

しかしながらこの選択も円安水準が維持されることで物価高の定着という痛みを生み出すだろうが、青いピルを貪り飲む人も増えるかもしれない。

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