9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


高市政権の支持率が高いのはおかしい

13〜19分

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今回の記事は「青いピル」である。高市総理の支持率が高いのはどこかおかしいからやがて下がるだろうという内容。一方でChatGPTはおそらく高い支持率は持続するだろうと言っている。

Yahooニュースを見ていたら高市政権の支持率が高いのはおかしいという論調の記事を見つけた。またキー局も個別の政策が評価されていないのに高市政権の支持が高いのはなぜかというような解説記事を出している。そこでGEMINIに高市政権の支持率が高い理由を聞いてみた。

メディアは高市政権の支持率は高すぎると考えており「いつかそれが剥落してしまうのではないか」と考えているようだ。

分水嶺として注目されているのが2026年位参議院議員選挙である。識者の中には期待値を維持するために長期的には日本のためにならない政策が打ち出され「国民が乗ってしまうのではないか」と危惧する人たちもいた。

懸念の背景は、表向きの「打ち出しの強さ」と政権の足腰の弱さの乖離である。これを示す事例を文藝春秋に見つけた。中北浩爾氏と田﨑史郎氏の対談だ。

田﨑 「ここまでやるか」と思ったのは国家安全保障局(NSS)の岡野正敬局長を在任わずか9カ月で退任させ、後任に市川恵一前官房副長官補を起用したこと。市川さんは外務官僚として安倍さんの外交戦略「自由で開かれたインド太平洋」の立案に携わりましたが、岡野さんの退任は極めて異例の人事。これには霞が関も戦々恐々でしょう。「総理の意に添わなければ更迭されるのか」と。

「総理の意に添わなければ更迭される…」高市流の官邸人事に、霞が関が“戦々恐々”なワケ〈中北浩爾×田﨑史郎〉

外務省に太いパイプがある調整型の岡野正敬氏を退任させて市川恵一氏を抜擢した。田崎史郎氏によるとこの人事は外務省だけでなく「官僚組織=霞が関」全体を震撼させたそうだ。

ご存知のようにこのあと高市総理は岡田克也氏の質問に対して踏み込んだ回答を行いこれまで外務省が積み上げてきた日中関係を崩壊させている。しかしながら外務省は高市総理の尻拭いは行わず「岡田克也氏に対して事前に問取りをやっていました」と責任回避に終始した。

さらにその後に高市総理が抜擢した「首相官邸筋の人物(実際には特定されてしまっているのだが)」が核兵器保有を肯定する発言を行い大きな騒ぎになっている。

このような状況を見れば誰もが「問題が一つひとつ積み上がってゆけば高市総理は官僚の支援を得られずやがて詰んでしまうだろう」と予想するだろう。

だが実際にはそうなっていない。この乖離をGEMINIに整理させたところ

専門家の疑念は

  • イメージ先行の危うさ:イメージが変われば潮を引くようにして支持率が下がる
  • 問題先送り:将来の財政赤字のリスクを度外視して明日のベネフィットを選択するという「合成の誤謬」

に集約される。

ここでしばらく会話を続けるうちに実は表向きの改革思考と徹底的な損失先送りが表裏一体になっているということがわかってくる。

国民感情に関しては2つの仮説が成り立ち、これが同時並行的に作用している。

  • 国民心理が突然損失回避から構造変容に変化した
  • 日本人は相変わらず損失回避型で高市総理は意図的にこの2つを織り合わせている

日本の政治はもはや損失を受け入れることはできないので「危うい均衡を保ってくれる」高市総理に頼らざるを得ないという現実が見えてくる。

現在は

  • 突破を求める一部階層(高市政権は若者の支持率が極端に高いことがわかっている)で日本の将来が高市総理によって劇的に変わると考えている。
  • 変化を先延ばしにする人たちは高市総理が総理大臣である限りは難しい問題を考えなくていいと期待している。

の奇妙な合成である。

そして、これが高い支持率につながっているというのだ。当座の分水嶺はこの同居状態を2026年の参議院選挙まで持たせることができるかどうかにかかっている。GEMINIはこれを「夢の管理者」と言っている。

これは「一種の敗北宣言では?」と問いかけるとGEMINIはこう出力した。一種の日本的諦念がありつつもメディアでは極力ポジティブなコメントが求められるという複雑な事情がある。

彼らが「夢の管理者」という表現を使うとき、そこには「国民を信じられない」という絶望と、「今のシステムではこれが限界だ」という冷徹な諦めが混在しています。あなたが仰る通り、これは「日本の民主主義(熟議と合理的選択のプロセス)に対する敗北宣言」と呼べる側面を多大に含んでいます。

つまり日本の政治は

  • 難しいことを考えたくないノンポリ
  • 自尊心回復を高市総理に賭けた右派

の連合体であり、それを「現実敗北派」が高市総理は夢の管理者であるとして肯定するという状況だと整理できる。

つまり、ノンポリが現実に気がついたときか、自尊心回復を高市総理にかけた右派が「この人は実は私たちの期待に応えてくれる人ではなかった」と気がついたときに高市政権の支持率が下がると考えていることになる。特に自尊心派は、参政党、国民民主党、維新と渡り歩いており、高市自民党に定着するかどうかはよくわからない。

安倍政権にも似たような構造があった。しかし今回は「限界を自覚し始めている人たち」が夢の管理者である高市総理に期待をかけている状態という違いがある。つまり一種「破綻した・破綻するだろう」ということがわかっていながら高市支持を演出しているということだ。

GEMINIとの対話は「そもそも支持率がバブルなのではないか」という問いかけから始まっている。このためGEMINIは「支持は意図的なものではないだろう」と考えている。

一方でこの問いをChatGPTに投げたところ「有権者はうすうすどころか明確に気がついているだろう」と出力した。つまり高市総理の支持率は高いままだろうということになる。

と同時に高市総理が総理大臣をしている間は自民党も維新もいかなる改革も打ち出せない。リスク回避そのものが高市政権に埋め込まれているからである。

GEMINIとの対話はこのあと「アメリカ政治との比較」に移ってゆく。アメリカ合衆国では共和党主流派がMAGAに飲み込まれてしまった。また、民主党支持者の中にかなりエスタブリッシュメントが残っており大きな塊を作っている。日本にはこうした「リベラルエスタブリッシュメント」という塊がない。メディア知識人は政治の世界に入ることができなかった。戦前の反省から意図的に政治と距離をおいた評論家(GEMINIは丸山眞男を挙げている)やそもそも政治に入れなかったメディア知識人などがその例だ。

GEMINIはこうした人々を「高台にいた人々」と命名した。AIに悪気はないのだろうが、いわゆるマスゴミと言われる人達に対する強烈な皮肉なっている。AIは時に残酷な出力をするものだと思う。

高台にいる人々は「自分たちだけは安心だ」と思いながら「合理的な計算ができない下界の有権者を眺めてきた」のだが、実は自分たちの地盤も揺らいでいたということをこの短い文章でまとめている。

アナリストの最終報告: 「日本に『民主党左派』という部族がいたことは一度もない。いたのは、『統治という汚れ役』を自民党に丸投げしたまま、高台から正論を叫び続けた人々である。そして今、高台そのものが地滑りで崩落しようとしている。」

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