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青山繁晴氏が石破総理との距離を置く

7〜11分

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別の記事で「外国脅威論」に色めき立つ自民党政権幹部の慌てぶりについて書いた。背景にあるのは選挙に対する焦りのようだ。挑戦状を受けた参政党は余裕の構え。政策の良し悪しや過去の発言についての論評は脇においておくとして手応えが掴めない政党と掴んだ政党の差を感じる。

しかしながら自民党内に走っている動揺はこれだけではないようだ。これまで寄せ集めてきた様々な支持者たちが様々の理由で離反しはじめている。

時事通信が終盤の情勢を出しているが自民党に取って極めて厳しい内容。東北でも苦戦しており「小泉農政改革」が反発されているのではないかと思う。日本の農家はこれまで事実上の減反政策に振り回されてきたため「今更コメを増産しろと言われてももう手遅れ」と言った様相。生産設備を買い替えてまで子供や孫に農家を継がせたくないと言う人が多いようだ。

ところが自民党敗北の要因は農家の離反だけではない。当初懸念されていたように保守分裂の影響が出ている。特に注目されているのは和歌山(二階系と世耕系が対立している)と鹿児島(尾辻秀久氏の娘が候補者争いに敗れ立憲民主党から出馬している)が取り上げられている。

さらに都市部でも離反の動きがある。東京の情勢については「外国人陰謀論」で触れた。参政党の躍進で2番目の自民党候補が脱落するのではないかとの危機感が広がる。確かな証拠はないもののこれが外国人の影響云々というキャンペーンにつながったものと考えられそうだ。

そんな中、大阪での党勢復活に駆り出された青山繁晴氏が不穏な動きを見せている。ネットで保守的な無党派層を繋ぎ止めてきた実績を買われこれまで大阪府連に関わったことがないにも関わらず府連会長に就任していた。当時は異例の人事などと驚かれていた。

そんな青山氏は石破総理が応援に来れば来るほど支持者が離れてゆくと反発している。石破総理に同調することでご自分のブランド価値が毀損することを恐れているのかもしれない。特に中国に対する政権の姿勢に反発しているようだ。

安倍晋三推しだった産経新聞が青山氏に同調している。わざわざ「こんな記事が読まれていますよ」として青山発言を取り上げていた。確かに参政党のほうが自由度が高くこれまでの青山氏の支持層を誘引するかもしれない。

そんな青山氏は石破総理が大阪入りした際には顔を見せなかったそうである。産経新聞や毎日新聞が伝えている。ただ文春によると「受け入れ体制ができていない」との理由で断られるケースが増えているようだ。安全確保ができませんよ、前の参議院選挙では「あんなこともありましたよねえ」等と言われると石破総理サイドとしてもゴリ押しはしにくい。そう考えると、青山さんは正直かつ実直なほうだったのかもしれない。来たいなら来てもいいが私は知りませんよということ。

安倍政権時代には実に様々な人達が別々の理由で自民党を支えてきた。政権政党を支持しているという漠然とした満足感があり矛盾する主張には余り気を止めなかったのだろう。

しかし、石破政権になり「石破総理は自分たちのことを見てくれていないのではないか?」との疑念が広がり始めている。漠然とした期待を維持することでかろうじてまとまっていた自民党だが結果的に自民党は空中分解しつつある。

産経新聞は記事の中で「石破氏は惨敗しても国難を理由に総理・総裁の椅子にしがみつくのではないか」としており早くも石破おろしが始まっているようだ。まだ選挙は終わっていない。「惨敗」を前提に下着論を今始めるのは早すぎるのではないか。

諦めたらそこでゲームオーバーという気もする。選挙戦もあと数日なのでぜひ頑張っていただきたいなどと自民党を応援するメッセージを書く日が来るとは思わなかった。