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裏金問題はどこへ 石破総理に退陣を要求する安倍派4人衆

9〜13分

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世耕弘成氏が「安倍派4人衆が揃って石破総理の退陣を求めている」と情報発信している。ついでに自民党復党を願い出るなどの厚顔無恥ぶりだ。一方で二階派も会合を開き浪人中の武田良太さんも出席したという。茂木派も麻生太郎氏に接近し盛んに「次」に向けて動き始めている、裏金を反省して派閥を解消したはずの自民党だがここに来て派閥復活の動きが見られる。

永田町には記憶喪失を誘発するガスが漂っているのかもしれない。参議院で裏金の責任を取って離党したはずの世耕弘成氏が「安倍派4人衆は石破総理の退陣を求めている」と情報発信をしている。テレビ朝日の番組に出演したときの発言だそうだ。共同通信は自民党復党への意欲を示したとしている。

ただしこれと言った政策はないようだ。小泉進次郎・小林鷹之・高市早苗氏らの名前を挙げて政策を競い合うべきであるとしている。旧安倍派は大票田なので自分を優遇してくれる人を応援しますよということなのかもしれない。小林鷹之氏は二階派所属。和歌山では世耕弘成氏が支援する候補と二階俊博氏の子息が対決し二階俊博氏は落選しているため「不倶戴天の敵」のはずだ。二階派も対応のための会合を開いた。浪人中の武田良太氏(この人は麻生太郎さんとあまり仲が良くない)も会合に出席したという。二階派が小林鷹之さんに対する安倍派の支援を受け入れるのかは未知数。世耕弘成氏は和歌山で二階家と敵対関係にある。

茂木敏充氏は盛んに石破おろしを画策しつつ麻生太郎氏に接近している。麻生太郎氏は前回の総裁選では河野太郎氏を支援せず高市早苗氏を推していたといわれている。

「支援したらどんなポストをくれるの?」と候補者を両天秤にかけつつ交渉するのが自民党流なのだが本当にそんなことをしていても良いのか。自民党などどうなっても構わないとは思うのだが本気で心配になる。

どうやら総裁選をやって気分を入れ替えさえすればこれまで離れていた自民党の支持者たちが戻ってくると信じているようだ。では実際に何があったのかを振り返ってゆきたい。

安倍総理が銃撃されると安倍派のガバナンスが崩壊。ここに旧安倍派と統一教会の不適切な関係が明らかになる。さらにパーティー券の収入を不記載にしていたといういわゆる「政治とカネ」の問題が浮上。

最初に離反したのは保守派ではなく「真面目で穏健な」自民党支持者たちだった。当時の衆議院議員選挙では「お灸をすえるために」立憲民主党に投票したという人たちもいた。

自民党が過半数を失うと「強いものとの一体感を感じていたい」いわゆる保守と言われる人たちが離反。まずはなんとなく理路整然として見えた国民民主党に流れる。ところが国民民主党は党首の不倫問題や候補者選定問題で揺れる。すると「強くて正しいもの」になびきたい保守の人たちは陰謀論なども取り入れた参政党に流れていった。

実は保守派は政策にはほとんど関心がない。参政党の憲法草案を読まなかった候補者もいたそうだし「そんな草案があったとは知らなかった」という人も参政党に投票していることだろう。

今回の一連の流れを見ていると衆議院選挙で自民党を離反した真面目な人たちが果たして自民党に戻ってくるのだろうか?という気がする。一方で雰囲気で流れてゆく保守の人たちは次の総裁次第では自民党にもう一度戻ってくるのかもしれない。ただ懸念もある。保守はおそらく財政拡大を求めている。高市早苗氏が麻生太郎氏の支援を求めるとおそらく高市さんは財政緊縮派に手足を縛られるだろう。

天国を求める保守と責任政党というのはあまり食い合わせがよくない。これを整合させるためにでっち上げられた奇策がアベノミクスだったがもはや持続は不可能だ。

いずれにせよ自民党は国難とも言える国際情勢の変化にはまるで興味がなく総裁選による空気の入れ替えさえ起これば自動的にかつての支持者たちが戻ってくるだろうという根拠のない見込みを持っているようだ。

一方で国会は8月1日から開催されることに決まった。野党は11月1日からガソリンの暫定税率を廃止することを求めており、参政党とれいわ新選組もひとまずはここに乗ったそうだ。自民党も大枠では了承したようだが、総務大臣は地方財政に5000億円の穴が空くと言っている。関税問題についてはそもそも15%がどの程度維持されるのかもよくわかっていない。おそらく地方を中心に経済はますます厳しいものになってゆくのではないか。

両院議員総会は8月の「上旬」開催が決まったが詳しい日程はまだ出ていない。署名を集めた人たちは「一度で済まないかもしれない」として署名は提出しないことにしているそうである。

総理大臣は首班指名される必要はあるがその後は不信任を突きつけられない限りは解散・辞任する必要はない。つまり自民党の総裁でなくなっても野党の支持さえ得られれば(野党は過半数を持っているのだから)総理大臣で居続けることはテクニカルには可能である。

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